両者の課題は対照的だ。横浜FCは6試合で18失点。1試合平均で3失点を数える守備の改善こそが喫緊の課題である。ただ、5バックで引いてガチガチに守って攻撃はカウンター頼み……といった立て直し方は下平 隆宏監督のサッカーではない。あくまでポゼッションというチームのベースは保持。GKも含め全員でボールをつないで相手の攻撃機会を減らすことと、相手ボールの局面ではハイプレスを抑えつつ、最終ラインを高く保ってコンパクトな陣形で粘り強く対応することにトライしている。
その効果は確実に表れてきており、先週末に行われたJリーグYBCルヴァンカップCグループ第2節では湘南にほとんど決定機を作らせなかった。それでもビルドアップの最中にGKが足を滑らせて失点して負けてしまうのがいまのチームの悪い流れだが、結果はともかく課題の修正に指揮官も選手も手ごたえを感じていることは明るい材料だ。
一方の柏の課題は、計9失点の守備も決して良くはないが、それよりも6試合で3得点の攻撃が深刻だ。そのうち2ゴールはJ1第2節・湘南戦で挙げたもので、完封負けは4試合を数える。一昨季はJ2で27得点、昨季もJ1で28得点を挙げたオルンガが抜けた穴は大きい。シュート数で見ても1試合平均で約7本しか打てていないというのは、クリスティアーノをはじめ江坂 任、瀬川 祐輔、呉屋 大翔ら攻撃陣の能力の高さから見れば寂しい数字だ。
しかし、柏も横浜FCと同様に先週末のルヴァンカップは手ごたえをつかむ内容となった。前半は浦和の激しいプレッシャーに苦しんだが、後半はカウンターからチャンスを多く作った。1得点にとどまり、それもセットプレーから生まれたものだったが、後半だけでシュートを7本放ち、何より勝利で終えたことはチームにとって大きい。
この2チームは1カ月前のルヴァンカップで顔を合わせ、横浜FCが1-0で勝利している。シュート14本を放った柏が決定機を外し続け、粘り強く守った横浜FCが少ないチャンスでPKを獲得した。横浜FCにとっては今季の公式戦唯一の勝利であり、その再現を狙いたいところ。また横浜FCには下平 隆宏監督や前嶋 聰志ヘッドコーチをはじめ、南 雄太、手塚 康平、猿田 遥己ら柏が古巣の人間も多い。自分たちが生き残るためには、不調の古巣であろうと容赦はしていられない。カップ戦で得た手ごたえを結果につなげ、浮上していくのはどちらか。運命のキックオフはもうすぐだ。
[ 文:芥川 和久 ]
