盛り上がること間違いなしのダービーではあるが、両者の状況は対照的だ。ホームで迎え撃つ横浜FMは開幕節で王者・川崎Fに敗れて以降、公式戦11戦負けなし。リーグ戦も3月から5勝3分と好調を維持している。
「ルヴァンカップであろうが、リーグ戦であろうが、自分たちのサッカーを表現すること、そしてそれを続けていくことが大切だ。昨年と違ってコンスタントに良いレベルで戦えている」 アンジェ ポステコグルー監督が胸を張るように、明治安田J1第2節・広島戦を最後に、公式戦では9試合連続で複数失点を喫しておらず、その間のクリーンシートは6試合。指揮官の言葉は決して大袈裟ではない。
ダービーへの備えも万全だ。21日のJリーグYBCルヴァンカップDグループ第3節・清水戦では大幅なターンオーバーを敢行。7人が上限のベンチ入りメンバーも6人とし、遠征メンバーを最小限にとどめて大半の主力組は横浜に残った。
これらの要素を踏まえれば、今節のメンバーは前節・札幌戦の先発が軸となる。仲川 輝人こそ右ハムストリングの肉離れで離脱中だが、序盤戦で話題をさらった前田 大然はその札幌戦でリーグ戦4試合ぶりにゴールを奪ったほか、ここまでリーグ戦3得点のオナイウ 阿道も好コンディションを維持している。
そして、注目は新型コロナウイルスの影響で合流が遅れていた新戦力・レオ セアラの存在だろう。Jリーグが一括管理する14日間の待機期間を経て、20日にチームに合流。コンディション調整に余念はなく、22日の囲み会見ではこう意気込んだ。
「バブル(待機期間)では良い準備ができた。あとは公式戦に出られるように最後の仕上げをしているところ。後半からであれば十分出場できる」 現状、今節から出場可能な見通しで、いきなりの先発は考えにくいが、メンバー入りすれば途中出場の可能性は十分ある。サポーターへの初お披露目の舞台として、日産スタジアムでのダービーはピッタリだろう。
対する横浜FCの状況は深刻だ。リーグ戦10試合で2分8敗といまだに勝利がない。前監督の下平 隆宏氏を7日付で解任し、現在は早川 知伸監督が指揮を執るものの、明確な効果は出ていない。喫緊の課題は1試合平均2.7点に上る失点数を減らすことだ。10試合のうち9試合で複数失点を喫しており、この課題を克服しなければ、昨年12月に続くダービー勝利には届かないだろう。
大まかなゲームプランとしては、横浜FMの攻撃をいなしつつ、どうスキを突いていくか。チーム状況を踏まえれば、より現実路線に舵を切るのがオーソドックスではあるが、新指揮官がどのような一手を打つのかも焦点となる。
[ 文:大林 洋平 ]

