いまのチームの勢いは福岡のほうがあるかもしれない。
鳥栖戦はお互いにチャンスの少ない展開になった中で勝利を手繰り寄せた。その戦いぶりに、指揮官も充実感を覚えているようだ。
「選手交代を含めて全員の力で流れを持ってきて、そこから得点を取ったというところに関しては非常に良かったと思います。また、それが1つチームにとってまとまりが出る。一体感と言うんですかね、そういうところにつながっていくので非常に良かった。そんな勝利です」(長谷部 茂利監督) 城福 浩監督も福岡への警戒心を強めていた。
「福岡は当たりの激しいインテンシティーの高いサッカーをしますし、選手たちが非常にシステマチックに動いている中で、サイドからのクロスの精度や中に飛び込む勢いも含めてしっかりとした武器を持っている。ルーズボールの競り合いの激しさがこのリーグの中でも上のランクにあって、そこで勝って前へ出てくる速さは気をつけないといけない」 球際での攻防がカギを握る一戦になることは間違いなさそうだ。広島も前節の川崎F戦では激しい攻防を展開し、指揮官が「選手が局面、局面の戦うというところを本当に90分やってくれた」と頷くタフさを見せている。主導権を争う場となる、中盤でのバトルには特に注目したい。
もう1つの注目点は選手交代でどれだけギアを上げていけるか。前述した長谷部監督のコメントにあるように、福岡はチームが1つの方向を向いていて、ベンチに控えている選手がパワーを出していけるチーム状態だ。対して広島は連戦が続く中でアタッカーの森島 司や浅野 雄也に徐々に疲れが見え始めてきた。
いや、城福監督は疲れではないと言う。
「ギリギリのところで選手のやり繰りをしている中で、モリシ(森島)にも雄也にもフル稼働してもらっていますけど、彼らは疲れているということを言う年齢ではない。仙台戦は途中から試合に入るところでうまくいかなかったと思っているし、途中から入る選手がゲームを動かしていかないと勝点3は取れないと思うので、仙台戦を良い反省材料にしていきたい」 17連戦はまだ6試合を終えたところ。それぞれのプレータイムをコントロールしながら起用していかないといけない中、佐々木 翔をはじめ負傷離脱から戻ってきた選手たちの状態も見極めながら采配を振るう城福監督は、今節に効果的な手を打って勝利を手繰り寄せていくことができるか。途中出場する選手のパフォーマンスが勝敗に大きな影響を及ぼすことは間違いない。
[ 文:寺田 弘幸 ]