柏はここまで11試合を戦って4勝1分6敗。勝点13で12位だが、先に記したように3連勝中と上り調子だ。長年このチームと関わってきたネルシーニョ監督の下で堅実なチームを作っており、相手の長所を消す戦略をピッチ上で展開している。前節・徳島戦では、立ち上がりは高い位置でのプレッシャーで相手のパス回しを断ち切って先制し、時間が経つにつれてカウンターを効果的に仕掛けて加点。5-1と圧勝した。
チームの心臓と言える大谷 秀和を中心に、戦術遂行能力が高い選手がそろう。パス、シュート、ランニングを効果的に実践する江坂 任や、前節2得点のセンターFW呉屋 大翔、前節右サイドからチームに勢いを加えた北爪 健吾らが好調だ。こうした選手たちから、ネルシーニョ監督が戦略に合わせてどういったメンバーを選んでピッチに立たせるかも興味深い。
仙台はここまで3分7敗、勝点3で19位に沈む。4月21日に行われたJリーグYBCルヴァンカップDグループ第3節・広島戦で今季公式戦初勝利を挙げたが、リーグ戦ではまだ初日が出ない状態。前節・札幌戦は逆転負け。また、ホームにおいて2019年のJ1第33節を最後にリーグ戦での勝利がないため、なんとしても白星をつかみたいところだ。
手倉森 誠監督はなかなか結果が出ない中でも守備からリズムを作るチームの土台を積み上げており、少しずつ粘り強い戦いができるようになってきた。その過程で、楽しみな若手選手も育ってきている。ルーキーながらすでに昨季JFA・Jリーグ特別指定選手としてJ1での経験を積んだアピアタウィア 久と真瀬 拓海は、それぞれ最終ラインで力を発揮。前者は高さと速さを兼備したCBで、後者は守備から攻撃に勢いよく切り替えて攻め上がるSBだ。また、同じくプロ1年目の加藤 千尋はシュートレンジの広い攻撃的MFで、21日のルヴァンカップと24日のリーグ戦でそれぞれ初ゴールを挙げており、波に乗っている。
両チームとも楽しみな選手が多い中で、最近になってまた新たな力が合流している。柏は前節・徳島戦で、長身FWペドロ ハウルや攻撃的MFアンジェロッティが初出場。仙台は迫力ある突破ができるエマヌエル オッティは残念ながら負傷離脱してしまったが、ボランチで対人守備とダイナミックな展開に期待がかかるフォギーニョが合流した。こういった新たな力がそれぞれのチームにとって刺激となり、戦略の幅を広げることにも期待したい。
[ 文:板垣 晴朗 ]


