早速、両陣営の様子を見ていこう。
徳島は前節、ダニエル ポヤトス監督が合流してからリーグ戦としては初勝利となった。指揮官は「本当に幸せを感じています。選手たちが素晴らしい振る舞いを見せてくれました」と、その勝利を喜んだ。また、決勝弾を決めた岸本 武流の「監督自身、合流してから勝てていなかったので苦しかったと思います。この勝点3は監督にとっても、チーム全体にとっても、自信につながる3ポイントだと感じています」という言葉にもあるように、4連敗と苦しんでいたチームにとっても意味のある勝利となった。
今節に向け、気持ちが高ぶっていそうな選手を紹介したい。
昨季、名古屋から期限付き移籍で徳島に加入した杉森 考起。今季からは「徳島でプレーすることがいまの自分にとって一番良いと思った」と完全移籍。アカデミー時代を過ごし、16歳でプロ契約を結んだ古巣を離れる決断は難しかったことだろう。新年早々の取材時に、「昨季は心のどこかで名古屋から来ているという気持ちもありましたが、今季はより徳島のためにすべてを尽くして頑張りたいという気持ちです」と率直な気持ちも交えながら意気込みを聞かせてくれた。
また、名古屋に縁があるのは杉森だけではない。杉森とともに名古屋の育成組織出身で、トップチーム昇格には至らなかったものの徳島でプロスタートを切った吹ヶ 徳喜。名古屋から徳島に移り、いまやチーム最古参となった長谷川 徹もこの一戦に向ける思いは強いだろう。
一方の名古屋は勝点35で2位につける。直近5試合は2勝3敗。川崎Fに2連敗を喫してチームへの影響が気になったところだが、前節・清水戦の勝ち方を見る限り、まったく問題はなさそうだ。ウノゼロで勝ち切れる堅守を武器にしながら、前節のように攻撃陣が大爆発する試合もある。特にチーム最多の6ゴールを誇るマテウスは、どんなに劣勢でも個の力ですべての流れを一瞬で引き寄せられるほどの力がある。今節も要注目選手だ。
さて、名古屋側で徳島に縁のある選手も紹介したい。
1人目は2016年から約2年半、徳島に在籍していた山﨑 凌吾。徳島ではリーグ戦92試合22得点という絶大なパフォーマンスを見せ、J1へ個人昇格。2019年の湘南時代、J1参入プレーオフ決定戦以来の徳島戦となる。2人目が2009年の途中から2011年まで在籍していた柿谷 曜一朗。柿谷の華麗なプレーを一目見ようとスタジアムに集い、柿谷がきっかけで徳島のファン・サポーターになった方もいることだろう。2014年、徳島のJ1初昇格時には、柿谷からサプライズで地元新聞にお祝いの全面広告を掲載する粋な計らいがあったのも懐かしい。
勝者ともガムシャラに勝利を目指し、最高のエンターテインメントに期待したい。
[ 文:柏原 敏 ]


