前節、福岡のホームに乗り込んだ神戸。試合が始まる前の順位は、福岡が5位で神戸が6位。上位を追走していく位置につけるチーム同士の直接対決となった。試合は開始2分で古橋 亨梧が先制点を奪うと、同点で迎えた終盤にアンドレス イニエスタがPKで決勝ゴールを挙げて勝利を飾った。福岡を抜いて5位に浮上し、AFCチャンピオンズリーグ出場権獲得争いに食らいついている状況だ。
ここまで18試合を戦ってきた神戸だが、8勝7分3敗と安定した成績を残している。その原動力は昨季までの反省を生かした守備組織の確立であり、攻守の切り替えや球際の強さなど、ハードワークを安定して発揮できるメンタリティーが育ってきたことだ。イチかバチかではなく、着実に勝点を積み上げていくための前提が磨かれ、上位争いに加わるのにふさわしいチームとしての力が根づいてきたとも言えるだろう。
JリーグYBCルヴァンカップのプレーオフステージでは、浦和に2戦合計3-4で敗れたが、このルヴァンカップでは3バックシステムをはじめ、中盤をダイヤモンド型にした[4-4-2]の布陣も採用。天皇杯2回戦・鈴鹿ポイントゲッターズ戦でもダイヤモンド型の[4-4-2]で挑み、快勝を収めている。リンコンの負傷離脱というネガティブ材料はあるが、長く公式戦から遠ざかっていた田中 順也が公式戦復帰を果たし、アンドレス イニエスタの状態も良好。前節・福岡戦では古橋をはじめ、最近は右SBにポジションを移している酒井 高徳の躍動も目立った。三浦 淳寛監督の下、システムの手札も広がりを見せ、その狙いをピッチで表現しながら個々の持ち味を発揮できていることも大きな強みだ。今節は前半戦最後のゲーム。この良い流れをさらに強め、後半戦にはずみをつけていくためにも勝利が欲しいところだ。
一方、ここまで苦しいシーズンを戦っている横浜FC。ここまで19試合を戦ってきたが、1勝4分14敗の最下位に沈んでいる。得失点差もすでに『-33』になるなど、浮上のきっかけを見いだせず、もがいている状況。前節はFC東京をホームに迎え、0-1の敗戦。白星は5月中旬の明治安田J1第14節・湘南戦までさかのぼり、3試合連続で無得点の3連敗中。勝ちなしも『5』に伸びるなど、ネガティブな数字ばかりが並ぶ。FC東京戦の前には、天皇杯2回戦でJ3の八戸に敗戦を喫し、厳しい状況だ。
ただ、FC東京戦は敗れたものの、良い形、良い流れを作っていたのも確か。ポジティブな材料は、チームとしての取り組み、選手の意識が生み出したものであり、その自信の種を着実に育てていくことが大切だろう。今節の相手は小川 慶治朗らの古巣である神戸。5位につける強敵のホームに乗り込む難しい一戦になるが、前向きなメンタリティーを堂々とぶつけたい。
[ 文:小野 慶太 ]
