柏がこの試合まで3連敗中、4月24日の第11節・徳島戦以降勝星なしと、大不振に陥っていることを割り引く必要はあるが、大半の時間帯でボールを握り、サイドは高い位置を取り、柏を自陣に押し込んだ状態で優勢に進めた。
それでも少し難しく感じる試合となったのは、前半に何度も訪れた決定機を決め切れなかったことによる。もっと早い段階で勝負を決することができる流れだっただけに、仕留める部分は、キャスパー ユンカーをベンチに置いていたこともあり課題となった。もっとも、そのキャスパー ユンカーも61分に投入され、何度かチャンスを得たがいつものキレを欠いて決め切れず。宇賀神 友弥のビューティフルなミドルシュートと、CKに柴戸 海が合わせるという、いつもと違った面子による得点で勝利をもぎ取った。
湘南戦の逆転負けを払しょくした浦和が今節挑むのは、その湘南戦まで続いていた、公式戦10戦無敗へ突入する直前に敗北を喫した福岡。当初はキャスパー ユンカーのデビュー前ということもあり、福岡の堅守を打ち破れず、GKのミスとジョン マリのスーパーボレーで2失点。最後に完敗を喫した相手となっている。
浦和側の焦点はGKの起用だろうか。柏戦では西川 周作がひさびさのリーグ戦出場となったが、手続き上の問題により鈴木 彩艶が不出場となったことが試合後にクラブから発表された。もともと、どちらがスタメンとなる予定だったかは不明だ。
西川は前回の福岡戦のミスにより――そのミスが直接的な原因ではなく、それまでも高いパフォーマンスを見せていたが――鈴木を起用してみよう、というきっかけをもたらしてしまった。しかし、リーグ戦の出番を失ったあとも、カップ戦で重要な選手であるという価値を示し続けた。
鈴木は福岡戦を契機に出番を得て、堂々たるプレーで浦和のゴールマウスを守る資格があることを証明し続け、飛び級でU-24日本代表にも招集された。しかし、湘南戦では2つの失点に絡むミスを犯し、逆転負けを呼び込み、プロデビュー後初の敗戦と大きな逆境を経験した。
そして再びの福岡戦。西川と鈴木、どちらがピッチに立ったとしても数奇なめぐり合わせとなる。守護神が何を思い、どうゴールを守るのか。出番を与えられなかったものがどうサポートするのか。まず後方に注目したい。
一方、福岡は連敗中。一時期の5位から9位まで順位を落としながらも、失速と呼ぶにはまだ早いだろう。ただ、2戦続けて早い時間帯に失点しているのは修正ポイントか。守備のチームというイメージがついているが、エミル サロモンソン、ジョルディ クルークス、ブルーノ メンデスら警戒が必要なタレントが豊富だ。
スタイルとしては浦和がボールポゼッション、福岡がカウンターという分かりやすい構図。浦和が先制を許せば、よりリスクをかけて攻めざるを得ずにカウンターの驚異が増し、福岡が先制を許せば前に出ざるを得なくなりスタイルを発揮できない。前回はミスから失点した浦和が苦しい展開を強いられた。真逆の志向だけに先制点がカギとなる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
