東京五輪によるリーグ戦中断期間中であるため、札幌の直近試合は7月10日までさかのぼる。敵地で仙台と対戦した第22節だ。この試合では開始早々にテンポの良いパス交換で相手守備を翻ろうし、最後はルーカス フェルナンデスが蹴り込んで幸先よく先制したものの、わずかなスキから失点を喫して同点とされると、後半は互いに好機を作り合う展開となりながらもスコアは動かず。1-1のまま引き分けに終わってしまった。
札幌としては白星を得たい試合だった。中断期間前の締めくくりの試合という意味合いもあったが、仙台戦の3日前には天皇杯3回戦でJ2の長崎に完敗を喫してしまっていたとあって、その良くない空気のまま中断期間に突入したくなかったはず。勝って払しょくすることができなかったため、ここでまた流れを作り直したいところだろう。
一方、珍しく気温の高い日が続いている7月末の札幌市内に乗り込むG大阪の直近試合は、27日の第3節・大分戦。この試合も未消化となっていたものだが、ホームで2-1の勝利を収めている。試合内容としては大分を相手に個々の力の差を見せてはいたものの得点を奪えず、逆に後半にCKから失点を喫すると、そのまま最終盤に。そしてここでG大阪は意地を見せた。途中出場のレアンドロ ペレイラが蹴り込んで同点とすると、終了間際にはパトリックがヘディングで落としたボールにこちらも途中出場の宇佐美 貴史が反応してゴール。見事な逆転勝利でスタンドから大きな拍手を浴びた。
G大阪にとっては大きな勝利だった。今季はなかなか成績が上向かず、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージを戦ったウズベキスタンから帰国後も1勝2敗。過密日程の中で苦しい戦績となっていたが、チームリーダーである宇佐美の劇的な逆転ゴールでの連敗ストップは大きな好材料だろう。チームの流れも劇的に変わるかもしれない。
さて、そんなチーム同士の対戦だが、焦点となり得るのがスケジュールの部分。前述したとおり札幌は7月10日以来となる公式戦。一方のG大阪は7月10日にACLのグループステージを戦い終えたあとも、前出の大分戦を含めて4試合をびっしりとタイトな日程でこなしている。フィジカルコンディションは明らかに札幌に分がある状況ではあるが、いわゆる“試合勘”という部分ではG大阪のほうに分がありそうだし、疲労は蓄積しているだろうが、劇的な勝利を飾った勢いそのままに挑む格好となる。
この週末に唯一開催されるJリーグの試合とあって、サッカーファンの注目を集めること間違いなし。夏の北海道で行われる熱戦を制するのは、どちらだ。
[ 文:斉藤 宏則 ]