札幌は前節、敵地で大分と対戦して1-1のドロー。立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛けながらも、セットプレーから先制を許してしまう。その後も攻勢を続けるが、大分の粘り強いプレーに阻まれてなかなか同点に追いつけない。後半も同様の展開が続いていたが、そこで若きアタッカーが活躍を見せた。サイドからのボールをジェイがさすがのプレー精度で的確に頭で落とすと、そこに走り込んだ小柏 剛が冷静にゲット。大卒ルーキーの3戦連発となる得点でタイスコアとし、そのまま敵地で勝点1をつかみ取った。
浦和、FC東京と立て続けに破って挑んだ大分戦とあって、勝って今季初の3連勝を果たせていればベストな結果だったことは間違いない。しかし、相手がJ1残留争いを抜け出すべくタフに戦っていたこと、北海道と九州との気温差、湿度差等々の要素を踏まえると、アウェイで勝点1を得たのはポジティブな結果だと言っていいだろう。
一方、徐々に夏の終わりを感じさせつつある8月下旬の北海道に乗り込む名古屋の前節は、ホームで福岡と対戦して1-0で勝利。手堅く戦いながら相手のスキを突き、そこから守り抜いて効率的に勝利する得意の展開で勝点3をモノにした。特筆すべきは夏の移籍期間に加入し、出場3戦目にしてJリーグ初ゴールを挙げたシュヴィルツォクの活躍だろう。得点はペナルティーエリア手前からの見事なコントロールショットで、それ以外にも高い技術力を発揮して後方からのパスを的確に収めるなど、ハイレベルなプレーを披露して勝利に大きく貢献してみせた。
名古屋の日程を見ていくと、15日に前々節・湘南戦を戦い、18日には天皇杯ラウンド16・神戸戦を戦っている。そして今節は前節から中3日の札幌に対して中2日で挑むタイトなものとなっているが、湘南戦も神戸戦もともに1-0で勝利しており、前述の福岡戦を含めると3戦連続でお得意の“ウノゼロ勝利”を演じているところを見ると、チームとしての流れは良好と評せそうだ。
そうして迎えるこの対戦を展望すると、焦点となるのは攻撃的なサッカーを標ぼうする札幌が名古屋の堅守に対してどのように挑み、突き破っていこうとするのか。3月の前回対戦では札幌が果敢にゴールを目指して仕掛け続けていったものの、体力を消耗したところで名古屋が狡猾にチャンスをモノにし、勝利をつかんでいる。名古屋としてはアウェイということも踏まえると同様の展開に持ち込みたいだろうし、札幌は同じことを繰り返すつもりは毛頭ないはず。見ごたえたっぷりの攻防が夏の夜に繰り広げられそうだ。
[ 文:斉藤 宏則 ]