柏は前節、中3日でC大阪と対戦。何度か良い攻撃の形を作った中でゴールネットを揺らせずにいたが、86分に大南 拓磨が値千金の決勝弾を挙げる。その後も最後まで集中力を切らさず、3試合ぶりの勝利を収めた。勝点を『40』に伸ばし、J1残留を決めた。殊勲の大南も安堵の言葉を残す。「ひとまずはホッとしていますし、少し気がラクになったと感じています」。
1得点しか奪えなかったものの、前節の柏の攻撃にはポジティブな変化が見られた。従来の強力なカウンターに加え、複数人が適度な距離を保ちながらパスワークで崩す連動した攻撃も発動。その中心にいたのが、今夏に加入した武藤 雄樹だった。「試合前日にネルシーニョ監督と少し話す時間があって、『武藤は気持ちよさそうにプレーできていないから、もっと自分のやりたいプレーというか、相手のイヤなところで受けるプレーをもっとやってくれ』と言われました。それを言われて僕自身もスッキリした部分がありましたし、今日はそういったプレーを全面的に出していこうと思っていました」(武藤)。今節も彼を中心に、良い攻撃をホームで披露したい。
また古賀 太陽と上島 拓巳は今季二度目の古巣対戦となる。「楽しみな気持ちが一番でしたが、古巣だからといって何か特別なことをしようとは思っていませんでしたし、とにかく勝点1も取れなかったことにすごく悔しさが残っています」(古賀)、「今季の日程が発表されたときから意識していたし、この試合に出て勝利することをモチベーションにやっていました。すごく悔しいです」(上島)と0-1で敗れた前回対戦のあとには無念のコメントを残した。今節で半年前の悔しさを晴らすことができるだろうか。
一方、アウェイに乗り込む福岡は前節、中3日で横浜FCと対戦。55分、フェリペ ヴィゼウに先制点を許し、その後も苦しい展開を強いられたが、後半アディショナルタイムにエミル サロモンソンのシュートがオウンゴールを誘発し、同点に追いつく。残留を果たすべく積極果敢に戦った相手から勝点1を獲得した。長谷部 茂利監督は「選手たちがチームのやりたいことを理解しながら、勢いや気持ちを含めて点を取りにいっている。その結果、得点が取れている」と試合終盤の戦いぶりを評価している。
明治安田J1第32節・神戸戦で残留を決めた福岡だが、選手たちに気の緩みは見られない。「特別なことはなくいつもどおり、最後までゴールに向かっていくアビスパスタイルでどんどんやっていきたい」(エミル サロモンソン)。「残り3試合で3勝できるように準備していきたい」(前 寛之)。持ち前の粘り強さとアグレッシブなスタイルで、柏相手にシーズンダブルを達成できるだろうか。
[ 文:藤井 匠 ]
