今季最多となる3得点を叩き出して大分をねじ伏せた直後、途中出場で勝利に貢献した昌子 源は「本当はこの順位にいるチームじゃない」と本音を口にしながらも、「素直に喜べるものじゃないけど、1つ安心できるようになったのはチームにとって良いこと」とJ2降格の危機を回避したことに安堵感を口にした。
すでに無冠が決定し、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権にも手が届かないG大阪にとって、リーグ戦の残り3試合は形の上では“消化試合”。しかし、G大阪のモチベーションは名古屋戦を前に高まる一方だ。
名古屋戦に続いて、川崎Fとの対戦が待つG大阪だが、松波 正信監督は大分戦後にこう言い切った。「名古屋はルヴァンカップのチャンピオンですし、川崎FはJリーグでのチャンピオン。そういう相手に対して、どこまでわれわれが今年積み上げてきたものができるかというところをしっかり出していきたい」。 山あり谷ありの難しいシーズンを過ごしてきたG大阪にとって、名古屋戦はチームの意地を見せる格好の舞台になる。
G大阪は今季最長タイとなる3連勝中でチーム状態は明らかに上向いているが、さらなる追い風も吹いている。16日のメディア向けに公開された練習では三浦 弦太やレアンドロ ペレイラが負傷から完全回復し、動きの良さを見せていた。直近の試合ではベテランの菅沼 駿哉や大卒ルーキーの佐藤 瑶大が最終ラインを支えてきたが、名古屋戦では前線から最後尾までタレントを擁する本来のG大阪が見られそうだ。
大分戦では2失点したものの、目指すのは粘り強い守備からの鋭い攻撃だ。戦術的なバリエーションに長ける名古屋だが、松波監督も直近の戦いでは相手の出方に応じた戦い方を採用しており、マッシモ フィッカデンティ監督との頭脳戦も試合のポイントになりそうだ。
一方、5位・名古屋にとっては勝点3だけが必要な戦いになる。今季のACLで日本勢唯一となるベスト8進出を果たしたが、来季再びアジアの舞台に戻るためには3位に食い込む必要がある。3位・神戸との勝点差は『5』と立ち位置は苦しいが、神戸や4位・鹿島を気にすることなく、まずは目の前の一戦で勝利だけを目指す。
直近の4試合を3勝1分で乗り切っているG大阪とは対照的に、名古屋は1勝2分1敗と勝ち切れない試合が続いているが、これは過密日程に苦しんだ結果だった。1-1のドローに終わった前節・仙台戦から2週間のインターバルを挟んで迎える今節で、JリーグYBCルヴァンカップ王者としての地力を見せつけたい。
立ち位置やスタイルは異なるものの、両者に共通するのはJリーグ屈指の守護神を擁していることだ。東口 順昭とランゲラックが守るゴールを破ることは簡単なミッションではないだけに、1点の重みが増すだろう。
[ 文:下薗 昌記 ]
