横浜FCはその開幕戦で1-5と大敗。「自分たちが理想としてやってきたサッカーをやれなかった。そこから修正できずにズルズルいってしまった」と渡邉 千真は振り返る。開幕から6連敗し、1勝もできないまま第8節終了後には下平 隆宏監督が解任された。ユースを率いていた早川 知伸監督が後任に就くが、東京五輪による中断期間に入るまでわずか2勝しかできなかった。夏には5人の外国籍選手を獲得し、後半戦は多少巻き返したものの、前半戦での負債が大きく第36節で降格が決まった。
横浜FCにとって、この試合は特別な意味を持つ。勝負事なので恨みという感情はないにしても、歯車を狂わせるきっかけとなった相手に、最後に一矢を報わずには気が済まないはずだ。ただ、現在の調子は下り坂だ。前々節に降格が決まった影響か、前節は同じく降格が決まった大分に完敗。前半は「すべてメンタル面でも劣っていた」と早川監督が嘆くほどに戦う気持ちの見えない内容で2失点し、後半は持ち直して攻めたものの、大分に守り切られて1点も奪えなかった。無得点は2試合連続で、夏に加入して後半戦の攻撃の核となっていたサウロ ミネイロの欠場が響いている。
得点への期待は、2試合とも後半途中から出場した中村 俊輔がさすがのパフォーマンスでチャンスを演出していることだ。ただ、ここまで彼の出番はピッチ上にスペースが生まれてくる時間からに限られており、先発出場は考えにくい。まずはしっかりと守備から入って無失点で前半を終え、後半のどこかで中村 俊輔を入れて勝負を懸ける展開に持っていきたいところ。また渡邉、瀬古 樹、高木 友也、安永 玲央ら、開幕戦で悔しい思いをした選手たちの奮起にも期待だ。
一方、札幌は10位でこの最終節を迎える。勝っても9位には届かないが、引き分け以下だと12位まで順位を下げる可能性がある。第32節から3分2敗と勝てずにいたが、前節は柏に3-1で快勝した。ホーム最終戦を勝利で飾ったことと、同じ[3-4-2-1]のフォーメーションを採用する相手に苦戦が続いていたが、それを克服したことで勢いを持って乗り込んでくるはずだ(横浜FCも[3-4-2-1])。
アンデルソン ロペスは夏に中国へ移籍し、現役引退を示唆しているジェイは前節終了後に日本を離れているが、夏に獲得したミラン トゥチッチが前節で来日初ゴールを含む2得点を挙げていることも勢いを加速させる。2ゴールを挙げた金子 拓郎をはじめ、駒井 善成、チャナティップ、小柏 剛ら開幕戦で活躍した顔ぶれも好調で、勝点3を上積みして10位のまま終わりたいところ。ちなみに10位は、今季の横浜FCが目標として掲げた数字でもあった。
横浜FCの最後の意地が勝るか、札幌の来季へ向けた勢いが勝るか、勝負の行方に注目だ。
[ 文:芥川 和久 ]
