京都は12年ぶりのトップカテゴリー復帰となる。昨季に曺 貴裁監督の就任とともに生まれ変わったチームは、シーズンを通して安定した成績を残し続けて、昇格圏内の2位でフィニッシュ。そのチームの主軸を形成した選手たちがほとんど残っており、継続性をもって新シーズンに挑もうとしている。
昇格の原動力となったのは、まず直近の2シーズンで獲得した選手たちだ。キャプテンの松田 天馬や飯田 貴敬、武田 将平らは加入するとすぐにレギュラーの座をつかんでチームに貢献している。2年連続でチーム最多得点を挙げているピーター ウタカは攻撃の中心として欠かせない存在だ。もう1つはアカデミー出身の生え抜き選手たち。若原 智哉、麻田 将吾、川﨑 颯太、福岡 慎平といった新世代に、クラブ最年少デビュー記録を持つ宮吉 拓実も合わせて、昨季のスタメンの半数が自前で育ててきた選手で構成されている。彼らが曺 貴裁監督の指導の下で成長し、ピッチで繰り広げるのがハイプレスを軸としたスタイルだ。前線から激しくプレッシングを掛けてボールを奪い、攻撃に転じれば人数をかけて相手ゴールに迫っていく。リスクも伴うが、観客の心をつかむアグレッシブなサッカーだ。
対する浦和はリカルド ロドリゲス監督の下で2年目を迎える。先週末は昨季のJ1王者である川崎Fを2-0で破り、今季1つ目のタイトルを獲得した。メンバーに目を向けると、日本代表右SB酒井 宏樹、GK西川 周作といった百戦錬磨の選手から、明本 考浩ら売り出し中の選手まで、実力者がズラリと顔を並べている。昨季途中に加入してすぐさまJリーグに適応したキャスパー ユンカーとアレクサンダー ショルツも健在。江坂 任は川崎F戦であらためてその実力を見せつけている。シーズンオフには槙野 智章や阿部 勇樹、興梠 慎三など長年にわたりクラブを支えてきた選手が去ったが、リカルド ロドリゲス監督が掲げるスタイルに合致する新戦力を各ポジションで補強しており、川崎F戦ではさっそく岩尾 憲と馬渡 和彰が頼もしいプレーを披露した。クラブとしても今季は明確に優勝というワードを目標に掲げるなど、『3カ年計画』のラストイヤーとして並々ならぬ意気込みで挑む。
試合展開は、京都としては積極的に前線からプレッシャーを仕掛けて、ボール奪取からの素早い攻撃に持ち込みたい。曺 貴裁監督も「相手の攻撃が強力だからといって、ラインを下げて守ることはしたくない」とスタイルを貫く構えだ。一方の浦和は川崎F戦ではキックオフ直後は前からプレッシャーを掛け、前半途中からは守備陣形を整えて戦うなど、ゲームプランや試合展開に応じた戦い方を選択できる強みがある。京都のプレスをかわしながら攻撃を仕掛けて、試合を優位に運ぶことができるかどうか。
お互いの持ち味がかみ合えばレベルが高く、なおかつ見ごたえのあるゲームとなることが予想される。新シーズンの幕開けにふさわしい一戦を期待したい。
[ 文:雨堤 俊祐 ]

