京都は現在6試合勝利から遠ざかっている。直近2試合は広島、横浜FMという強敵を相手に連敗しているが、曺 貴裁監督は「どれだけ話をしても、実際にやってみないと分からないこともある。高いレベルの試合を経験した中で、選手たちが感じたことが大切だと思うし、それが今後のシーズンで必ず生きてくる」と、敗戦から学んだものを成長につなげるべく取り組んでいる。
京都には、初めてJ1を体験する選手が多い。完敗と言える試合内容も含めて、悔しさを味わうゲームが続いているが、下を向くことなく川崎Fへ挑む構えだ。
前節・横浜FM戦は0-2で敗れ、被シュート23本と相手の攻撃を浴び続けてしまった。前からプレッシャーを掛けるために最終ラインを高くしてコンパクトな陣形で戦っているため、その背後を狙われ続けている。川崎F戦もそこはポイントになるだろうが、だからといって最初からラインを下げてゴール前を固めることはしたくない。勇気を持って前から奪いにいくことは徹底しつつ、状況に応じた守備も意識していきたい。
そして、攻撃ではボールを奪ったあとの1つ目、2つ目のプレー精度を高めていくことが重要だ。マイボールになっても、すぐにボールを失ってしまっては流れをつかめない。攻撃と守備の両方から試合を構築していけば、流れをつかめるはずだ。
対する川崎Fは4連勝のあと、1分1敗と足踏みしている。前節はホームで湘南に0-4で敗戦。後半立ち上がりに、12分間で立て続けに失点を重ねてしまった。そのきっかけとなったセットプレーの守備はもちろん、カウンターを受けた際の対応などは再確認して試合に挑む必要がある。
その中で、日本代表の谷口 彰悟が出場停止から戻ってくるのは朗報だ。前々節まで5試合連続無失点を記録していた守備力を取り戻した上で、多彩な攻撃を繰り出してゴールを目指す。
そして、川崎Fの両SBを務める山根 視来と佐々木 旭は、曺監督の指導を受けた経験のある選手だ。特に山根はプロキャリアをスタートさせた湘南時代に指導を受け、そこでの活躍が認められて川崎Fへの移籍が決まり、日本代表への道を切り拓いた。曺監督は「彼は試合に出られなくて、自分に力がないことの意味を、誰よりも分かっていた。大学で前線のアタッカーだったことやプライドなんかを一度全部捨てて、イチからスタートを切るという覚悟。それが彼のすごさだし、こちらからの高い要求も自分の力で乗り越えてきた。リスペクトしかないですよ」と当時を振り返っている。ともに所属クラブが変わり、初めての師弟対決となる。
この試合が終われば、天皇杯やJリーグYBCルヴァンカップなどに戦いの舞台が移るため、リーグ戦は3週間中断する。良い流れをつかむのは12年ぶりのJ1挑戦の京都か、それとも王者・川崎Fか。
[ 文:雨堤 俊祐 ]

