このカードの前回対戦は第7節。神戸のハイプレスと新潟のビルドアップがぶつかり合う一戦は、お互いが色を出し合った。前半は新潟が持ち前のパスワークでプレスをはがしながら攻撃に出たが、神戸の守備を破れず。後半はより前に重心をかけた神戸が流れをつかんだが、新潟も粘り強く守る。アディショナルタイムに背後を取ったジェアン パトリッキが決勝点を決めたと思われたが、VARオンリーレビューの結果、判定はオフサイド。0-0で勝点1を分け合っている。
この試合を振り返り、高 宇洋は「ゲーム運びがしやすく、楽しかった印象がある。どちらに1点が転がるかという試合だった」とコメント。真っ向勝負で戦えた好感触を持っている。前節は負傷離脱していたが、すでに回復しており、今節も攻守にコンパクトな新潟をけん引するつもりだ。
その新潟は前節、広島に2-0で勝利した。前々節・柏戦は0-0で引き分けたが、守備が改善されて、6試合ぶりの無失点で終えた。その手ごたえを継続しつつ、広島のプレスをかいくぐって点を重ね、6試合ぶりに勝利を手にした。チームとして狙っていたのは、“ポケット”と呼ばれる、ペナルティーエリア深い位置を取ること。先制点は25分、松田 詠太郎からパスを受けて、右のポケットへ抜け出した三戸 舜介が決める。その3分後、左サイドを三戸と星 雄次の連係で崩した新井 直人が左のポケットへ抜け出し、三戸のスルーパスを受けて左足で決めた。新井はホームで2試合連続ゴールとなったが、今節もホーム戦。「狙っています」とホーム3連発への思いは強い。
一方の神戸は前節、ホームで札幌と1-1で引き分けた。この試合はアンドレス イニエスタの神戸ラストマッチ。アグレッシブな守備と攻撃がぶつかり合い、前半のうちに先制を許したものの、後半にCKからマテウス トゥーレルがヘディングで合わせて、加入後初ゴール。勝点1をつかんだが、順位は2位から3位へ後退している。
今節は2人の新潟県出身選手の凱旋試合となる。1人は新潟県三条市出身の酒井 高徳。新潟ユースから2009年にトップチームへ昇格し、2011年にシュツットガルト(ドイツ)へ期限付き移籍。日本代表としても活躍し、新潟アカデミーの憧れの先輩として語り継がれている。J戦士としてデンカビッグスワンスタジアムのピッチに立つのは、自身が新潟に所属していた2011年以来となる。
もう1人は飯野 七聖。新潟県上越市出身で、新潟U-15、新潟U-18を経て国士舘大へ。群馬に所属していた2020年のJ2第40節には、新潟相手にデンカビッグスワンスタジアムで逆転勝利を決める恩返しゴールを決めている。
今回の対戦も、お互いのスタイルをぶつけ合う真っ向勝負になるだろう。神戸のハイプレスと新潟のビルドアップのスリリングなせめぎ合いに注目だ。
[ 文:野本 桂子 ]

