名古屋にとって絶対に負けられない試合だ。明治安田J1では3位につけ、タイトル争いに食らいついている。短いサマーブレイクを挟んで、2日の天皇杯ラウンド16は浦和に3-0で圧勝。その勢いをリーグ戦にも持ち込み、記念となる試合で勝点3を上積みして“リスタートダッシュ”を決めたい。
気になるのは、アル・タアーウン(サウジアラビア)への完全移籍についてクラブ間合意に達したマテウス カストロが、浦和戦を最後にチームを離れたこと。一発で流れを変えられるFKや切れ味鋭いドリブルを武器に、名古屋の攻撃のほとんどに絡んでいたマテウス カストロが抜けたことは、間違いなくチームに大きな影響を与えるはず。その穴をどう埋めるのか。今後の課題の1つとなりそうだ。
注目したいのは、2人の新戦力だ。ユトレヒト(オランダ)への期限付き移籍から復帰した前田 直輝と、札幌から期限付き移籍で加入した中島 大嘉。マテウス カストロの移籍離脱がなければ、名古屋のもう1つの課題である終盤のゲームチェンジャーを務める選手として力を発揮してほしかったが、この緊急事態では先発としての役割を期待したいところ。もちろんマテウス カストロと同じ役割をこなすことは困難だろうが、前田なら鋭いドリブルやカットインからのシュート、中島なら高さやポストプレー、裏抜けのスピードなど、豊かな個性を発揮してチームに新たな味を加えられる。2人の起用でどんな化学変化が起こるのかが楽しみだ。
また、浦和戦では和泉 竜司がFWで途中出場し、ダメ押しとなる3点目のゴールを決めた。今季は右を中心にウイングバックとしてピッチに立つことが多かったが、得意の攻撃的なポジションで早速結果を出したこと、しかもアシストが、代わって右ウイングバックに入った野上 結貴のクロスからだったという意味は非常に大きい。その右ウイングバックには藤枝から久保 藤次郎を完全移籍で獲得している。高い質を誇るクロッサーであり、チャンスメークが得意な久保がチームに馴染めば、大きな戦力アップにつながるはずだ。
チームは絶えず動き続けるものだ。チームの中心として異彩を放っていたマテウス カストロが抜けた次の名古屋は、どんな色を出すチームに変化するのか。
対する新潟も、天皇杯ラウンド16でJ2首位の町田を1-0で下し、8強に進出した。中2日の連戦となるが、名古屋に遠征するよりも近い国立競技場での試合は、サポーターにとっても、選手の負担を考えても歓迎だろう。「コクリツをオレンジに」とホームジャックを狙って告知を展開し、良い雰囲気で試合が行われることは間違いない。
今夏の新戦力は、群馬から完全移籍で加入した長倉 幹樹のみ。サマーブレイクで大きな変化を加えるのではなく、これまで積み上げてきたものをさらに熟成させる期間とした。天皇杯ではある程度この名古屋戦を見据えたメンバーを使い、粘り強く戦いながら終盤の得点で勝利。今度はその勢いをリーグ戦メンバーが加速させる番になる。
リスタートとなる“国立マッチ”。華やかなイベントも含めて、子どもも大人も楽しさあふれるサッカー日和になりそうだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]


