「チャンスもあったが、ピンチもあった中でよくしのいでくれた」と山口 智監督が話していたように、一進一退の攻防の中、ルキアンにチャンスが多く生まれていた。しかし、GKキム ジンヒョンのファインセーブにも遭い、ゴールを割れないで前半を終了する。
後半にも、53分に右SB鈴木 雄斗がゴール前でクロスを受けてシュートを放つ場面もあったが、これもキム ジンヒョンに阻まれてしまう。流れを手繰り寄せられずにいると、60分にCKから失点。主導権は完全に相手に渡ってしまい、82分にも得点を決められて試合を終えた。
「もったいない、という捉え方もできると思いますし、攻守に意図してできたところもありました。でも、『もったいない』と言うだけではなく、勝てていない現状には“甘さ”がある。やらないといけないことはある」と、まだまだ突き詰めるべき要素はあると山口監督は話す。その一例に挙げたのが、武器としているカウンターだ。
「相手のミスを誘ってカウンターというシーンもありましたが、そこにもっともっと人数をかけていきたかった」と物足りなさを口にした。
一つひとつのプレーから“甘さ”を捨て、シュートを決め切れるところにまでつなげられるか。浮上のきっかけはここにある。今節は中3日で行われ、じっくりと時間をかけて修正することはできないが、意識を変えて改善できることもある。
ポジティブな点に目を向けるとするなら、前節で小野瀬 康介が久しぶりに戦列に戻ってきたことだろう。2列目の右は周囲を生かし、ミドルシュートも得意としている池田 昌生がずっとファーストチョイスだった。そこに新たな選択肢として、攻撃力とテクニックを備えた小野瀬が復帰。チームに新たな色をもたらしてくれるのではないかと期待が持てる。
今節でホームに迎える東京Vは、昨季の明治安田J2で最少失点のチーム。その牙城を崩すためにも、前節の反省点を生かし、湘南らしくアグレッシブに、強気に戦っていかなければならない。
その東京Vは前節、ホームで京都と対戦した。前半のうちに2失点を喫したが、80分に山見 大登が獲得したPKを染野 唯月が決めて1点差に迫る。そして、90+3分に齋藤 功佑のグラウンダーのクロスに染野がスライディングで合わせ、追いつくことに成功。前半の展開を引きずることなく、後半は異なる試合にしてみせた。
J1第1節・横浜FM戦(1●2)、第2節・浦和戦(1△1)、第3節・C大阪戦(1●2)と終盤の失点によって勝点を落としてきたが、前々節・新潟戦と京都戦は逆に終盤の得点によって引き分けに持ち込んでいる。この勢いを持って、J1復帰後初白星を得ることはできるだろうか。
[ 文:舞野 隼大 ]
