大勝を飾った町田。前半戦の“東京制圧”
FC町田ゼルビア
監督
ともに同じタイミングでJ1に昇格したヴェルディさんとの“東京クラシック”でもあるため、プライドや魂がぶつかり合う試合になりました。その中で前半から選手たちの気迫がしっかりと出ていました。球際の攻防で優位に立ち、インターセプトする回数も多く、そこから攻撃に転じることができましたし、選手たちはわれわれが目指すサッカーを実践してくれたと思います。実際には点差ほど両チームの間に差はないと思いますが、われわれのほうにうまく良い循環が回ってきました。また選手たちは切り替えも早く、冷静に局面ごとに対応してくれました。 得点に関しては、運よく決まった場面もあれば、崩し切ったゴールシーンもありました。得点シーンに町田のチームスタイルが表れていましたし、チームのやるべきことが浸透してきた場面の連続でした。今季は日常を変えることを大きなテーマにしてきた中で、1日24時間、365日を自らコントロールしていくこと、自分のサッカーに向き合いながら生活をしていくこと、これらをしっかりとやり続けた先に上昇気流へ必ず乗っていくと、選手たちに話してきましたが、それがまさに形になろうとしています。無駄のない形でわれわれのサッカーを表現できましたし、これまでの15節の中でも一番しっくりとくるゲームでした。また、観ている方々にも多くの感動を与えることができたと思います。ルヴァンカップの(1stラウンド3回戦・)鹿島戦を挟みますが、リーグの次節は浦和戦です。そこに向けて途切れることなく、日常を高めて、日々精進をしながら次の試合に向けた準備を進めていきたいと思っています。 --チーム2点目である藤尾 翔太選手のゴールシーンは、ロングスローではなく、短いスローインから生まれました。この試合に向けて、どんな仕込みをしてきたのでしょうか。相手がロングスロー対策を講じてくる中で、どうスキを突くか。そのアプローチはしてきました。ターゲットマンに対してどんなマーキングをしているのか。あるいはゾーンなのか。また、ショートの形をとったときにマーキングがあるのか。もしくはそれによってどこが空くのか。そういった分析をしながらやっています。相手がロングスローを意識すればするほど、ショートやクイックをやることで相手が引っかかるケースも出てきます。鈴木 準弥からのクロスも素晴らしかったですが、それもサッカーの駆け引きです。いろいろな手法を繰り出すことが効果的だと思うので、今後も取り組んでいきたいと思っています。
東京ヴェルディ
監督
完敗でした。3,000人と聞きましたが、こんなに多くのサポーターが来てくれて、その彼らに悔しい思いをさせたと思う。勝敗を決するようなゴールが入っても、背中を押してくれていた。彼らに申し訳ない。今季はこの歴然とした差をどう埋めていくか。それがやるべきことかなと思う。インテンシティーの高いときにどんなサッカーをするのか。つなげるところになったときにシュートまでどう持っていくのか。それが前後半で足りなかった。個の部分の差はあるといえども、1対1の粘りや、シュートブロックのときに顔をそむけてしまうとか、本当に基本中の基本で、大事にしてきた部分が緩んだら、J1のステージで勝利できない。それがいくつか出てきてしまった。もちろん疲れもあると思う。この差を真摯に受け止めて、フラットな競争をさせて、次に向かいたいなと思います。このチームのいま一番の課題は競争。高いレベルで競争した選手がピッチに出ていく。その問題が今回露呈したと自分は受け止めている。しっかり競争力のあるチームにして、この負けを、大敗を、次に生かしたいと思う。 --立ち上がり、サイドの裏を突かれて最終的に失点した。相手の出方が想定と違ったか、はたまた自分たちの問題か。私の問題だと最初に断っておく。入りはすごく良かった。ただ、用意したFKを、蹴るはずのない選手が蹴った。準備してきたものと違う引き出しにしたのは、おそらく自分のコントロールが効いていなかったのかなと。そこから相手にボールが出て、(東京Vの最終ラインの)裏に入って……。5分くらいまで非常に良い入りをしていた。裏に来るのは分かっていたが、失点シーンを含めて、(外に)ボールが出たのかなと思ったら出ていないといった、ちょっとした油断があった。そこでプレーを切るべきところで続いてしまった。スローインのところも、本来ならば準備の時間があるのに、ボールホルダーも、中も(マークを)外すところは、われわれが注意して、準備していたところが、アラートにできなかった。それは何ゆえなのか、しっかり検証したい。 プレーを断ち切るところは断ち切らないといけないし、マイボールにしないといけない。失点のところで、自陣から抜け出せない状況にあった。繰り返しになるが、今回の負けというのは、相手の戦い方や、こういう状況になるなというのはほぼ予想どおりで、そのスカウティングで見せたとおりになったのは準備のところの反省と、競争力。競争がないと思われているような選手が今日は良くなかった。これがわれわれが抱える問題。チーム内競争の重要性は、J1リーグを戦う上であらためて感じたこと。 --相手の高い位置からのプレッシャーを外していけなかった点について。映像を見直してみないといけないが、前で圧力を掛けてくるなら、相手の最終ラインの裏だけでなく、空くスペースがある。そこへうまくつなげるには、受ける選手と出す選手の両方が直前に判断を変えられるような持ち方をしないといけないし、それこそ質ということになる。空いているスペースをうまく使えずに、最終ラインで回すか大きく蹴るか、という感じになって、ずっと相手の攻めを受け続けた。立ち位置を変えたところで、前から相手が奪いにくるときに空く中盤を使いたかったが、使うクオリティー、勇気、自信がなかった。それを持たせてあげるレベルになっていなかったのは反省。
FC町田ゼルビア
FW 9
藤尾 翔太
立ち上がりから終盤まで自分たちが主導権を握ってゲームを進められたことが大きかったです。 --ご自身の1点目のシーンを振り返ってください。良いタイミングでボールが入ってきましたし、(鈴木)準弥くんからのクロスの質も高かったことがゴールを決め切れる要因になったと思います。先に入りたいスペースを空けておいて、ボールが入ってきたときにそのスペースに進入することを狙った結果、決めることができました。 --ご自身の2点目はPKを決めた形です。VARの映像を見たら、「PKだろうな」と思ったので、心の準備をしていました。PKを蹴るまでの過程でGKを見たときに、思ったよりも動いていなかったので、サイドに蹴れば入るなと思い、そこに蹴りました。(ポストに当たったのは)狙い過ぎた結果かもしれませんが、あれぐらい際どいPKを蹴らないと入らないと思っていました。
FW 22
藤本 一輝
--オウンゴールによる先制点は、左サイドでご自身が打開した場面がきっかけになりました。相手のSBを上回らないと自分たちに流れが来ないと思っていました。常に相手よりも優位に立つことを意識した結果です。 --配球役の仙頭 啓矢選手や林 幸多郎選手からご自身を生かすボールが出てきています。僕が最終ラインと勝負している中で、幸多郎と啓矢くんが僕のことをうまく生かしてくれる場面を作れていると思います。 --ここ2試合はスタメンで出ている中で、ペース配分についてはどう考えているのでしょうか。ケガ人も戻ってきて選手層は厚いですが、個人としてはスタートから出たい気持ちが強いです。仮にスタートから出ることができた場合は、試合の開始から飛ばして自分の良さを出せれば自分たちに流れが来ると思っています。90分やり切ろうというよりも、出ている時間ですべてを出し切ろうとプレーするほうが、自分に合っている気がします。常に出し切れるようにしたいです。