トップカテゴリーでの初対戦は、プライドとプライドがぶつかり合う“昇格組対決”。東京Vとしのぎを削ってきた町田の平河 悠は「ヴェルディには負けたくないし、昇格組対決で勝てるようにしたい」と強気に話した。
ホームの町田にとっては、前節・C大阪戦での劇的勝利から連勝を狙う一戦。C大阪戦はナ サンホやミッチェル デュークら、交代メンバーが勝利に貢献したため、黒田 剛監督もスタメンの選定に頭を悩ませていることだろう。途中出場選手の活躍はチームがさらなる上昇気流に乗る可能性を秘めている。また、中3日の連戦下だからこそ、フレッシュなメンバーを効果的に起用する用兵が勝敗のカギを握っている。
一方の東京Vは、前節・G大阪戦で好機を決め切れずに0-0で引き分けた。ただ、この引き分けにより11戦負けなし。“無敗街道”を突き進む状況でアウェイの地に乗り込めるため、 よりポジティブなマインドで町田と戦えるはずだ。
昨季の対戦の傾向から、町田も東京Vもお互いに強度には自信を持っている。そのため、“強度勝負”で相手を上回ったほうが勝利の可能性を高めるに違いない。互いに欲しいのは先制点。特に町田は先制点を奪われた試合が3戦全敗であるため、東京Vとしては先制点を奪う展開が望ましい。仮にがっぷり四つに組んだ両者が互いに譲らず、きっ抗した展開が続いた場合は、選手層の厚さでアドバンテージがある町田のほうが、試合展開を劇的に変えるコマには事欠かない。
一方の東京Vは、前々節・鹿島戦で0-3から3-3に追いつく“底力”を発揮。仮に劣勢の展開を強いられても、馬力を出せれば最後の最後まで分からないゲーム展開に持ち込む力を秘めている。プライドがぶつかり合う一戦だけに、試合終了のホイッスルが鳴るまで、目の離せない展開がきっと待っているに違いない。
選手視点での焦点は枚挙に暇がない“東京クラシック”。例えば、U-23日本代表のメンバーとしてパリ五輪出場権獲得とAFC U23アジア杯を制する原動力となった町田の藤尾 翔太、平河、そして東京Vの山田 楓喜が同じピッチに立つ可能性がある。藤尾と平河は山田 楓喜のキック精度に一目置いており、町田の守備陣は山田 楓喜のストロングポイントを発揮させまいとタイトなマークにつくはずだ。相手の厳しいマークをものともせず、山田 楓喜が高精度のキックで町田の堅守に風穴を開けられるか、注目が集まる。
また、AFC U23アジア杯のメンバー入りがかなわなかった染野 唯月と、藤尾による“9番対決”も見物。昨季の国立競技場での試合(明治安田J2第25節/町田2-2東京V)は藤尾の1ゴールに対して染野が2ゴールを決め、染野に軍配が上がったが、再戦の結果はいかに。
さらに、東京Vの翁長 聖は昨季までの2シーズン町田に在籍していたため、今節が古巣戦。町田サポーターは献身的な上下動を惜しまない運動量を発揮するサイドプレーヤーを愛してきたぶんも、翁長の“町田GIONスタジアムへの帰還”を心待ちにしている。
[ 文:郡司 聡 ]
