前述の長崎戦では、シーズン開幕前の負傷が長引いていたオラ ソルバッケンが加入後初出場。ようやくの一歩を踏み出し、ペア マティアス ヘグモ監督も「ケガ人がやっと戻ってきて、彼らも練習の中で日々コンディションを上げている。ここまで少人数で連戦をこなしていたので良い状況」と大駒の復帰を歓迎した。
ただ、そのオラ ソルバッケンもスケールの大きさは感じさせつつ、とても万全のコンディションには見えなかった。同じく負傷明けの酒井 宏樹、岩尾 憲らもまだまだといった印象で、特に復帰後初先発となった酒井は、何度もドリブル突破を許すなど低調な出来に終わってしまった。
なおかつ、後半には伊藤 敦樹が負傷交代。メンバー外となっていた中島 翔哉も負傷を抱えていることが明かされ、両名とも今節に出場できるかは不透明だ。長崎戦では石原 広教もメンバー外となっていたが、こちらも痛みを抱えながら連戦を戦っていた。欠場が続いている松尾 佑介も長引く見込みで、苦しい台所事情がなかなか解消されない。
ペア マティアス ヘグモ監督は何度か「週2試合をこなせる選手を作ろうとしている」と語っており、さらに選手間の関係性を重視する方針から、リーグ戦、カップ戦を問わず、あまりメンバーを替えずに戦ってきた。その弊害がいくらか出ていることは否めない。
ただ一方で、ピッチ内のパフォーマンスは確実に向上してきている。公式戦ここ2試合は合計1得点に終わってはいるものの、リーグ戦3連勝の中で併せてマークした連続複数得点は決してフロックではない。相手の守備に生まれるスペースを素早くスキャンして共有し、連動して活用する攻撃は試合ごとにスムーズさを増している。
次のステップは、スペースを与えてくれない相手をいかに動かして同様の状況を作っていくかだ。ペア マティアス ヘグモ監督は以前、伊藤のあるプレーについて「もう少し自身がキープしてから、タイミングを合わせて(前田)直輝に出せれば、さらに良いプレーになったと思う。これが次のステップ」と語ったが、チーム全体にも言えることだ。
一人ひとりが、いかに目の前の相手を引きつけ、守備を少しずつズラしていけるかどうか。今節・町田戦はその点で、高難易度ながら格好の試験となる。現在取り組んでいるスタイルの発展のためにも、首位との勝点差をつめるためにも、是が非でも内容と結果の両方を追求したい。
一方のアウェイ・町田は、堅守に加えて固め打ちで大量リードを奪う爆発力も発揮し始めている。ボランチの主力・柴戸 海は浦和から期限付き移籍中のため出場できないが、代役を務めるであろう宇野 禅斗も実力者のため問題なし。埼玉スタジアム2002が発する圧力も、おそらく町田にはそれほど効果がないだろう。スタイル的にも状況的にも、浦和は今季一番手強い相手を迎え撃つことになる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
