ホームの町田は前節、3位・G大阪との上位対決をアウェイで制し、3試合ぶりの白星を獲得。2位の鹿島も1-3で敗れたため、町田を追いかける2チームとの勝点差は『5』に広がった。
前々節・神戸戦とG大阪戦の“関西2連戦”を「ターニングポイント」として位置づけていた黒田 剛監督は、1勝1分で終えたため、「上々の出来」と評した。
ライバルチームとの勝点差が広がった状況は好ましいが、「後半戦は始まったばかり」と仙頭 啓矢。ピンと気持ちが張り詰めていた上位対決2連戦を終えたあと、チーム状態が芳しくない名古屋との対戦を迎える今節に向けて、林 幸多郎はこう言った。
「上位対決ではない試合でも落とすことなく、勝点を取っていくことが大事。気持ちを切り替えて、次の名古屋戦に挑みたい」 一方の名古屋は第15節・鳥栖戦を2-0で制して以降、6試合連続失点中。また複数得点の試合もなく、守り切れず・取り切れずの状態が続いている結果、勝点が伸び悩んでいる。
名古屋はJ1での町田との初対決で0-1と敗戦。「新参者」(黒田監督)である町田にシーズンダブルを食らうことは、“オリジナル10”としてのプライドが許さないはずだ。未勝利街道と連敗からの脱出を懸けて、並々ならぬ決意でアウェイの地まで乗り込んでくるに違いない。
前回対戦での名古屋は、地上でボールを動かしながら相手陣地へと進入していくポゼッションスタイルへの転換に挑戦中だったが、現在はそれほどボール保持志向の色は強くない。そのため、名古屋がボールを保持し、町田がボール奪取からのカウンター発動の機会をうかがっていた前回対戦の構図は、参考にならないだろう。
現在の名古屋はあくまでも守備ベースのチームに映る。「守備の貢献度が高い」(仙頭)稲垣 祥が卓越したボール奪取力をベースに中盤の底でチーム全体の強度を下支えし、最後の砦であるランゲラックが守備範囲の広いセービングでゴールにカギをかける。失点が重なっているとはいえ、ロースコアの展開に持ち込んだほうが勝機を見いだしやすいはずだ。
町田としても、先制すれば勝点3獲得の公算が高まる一方で、スコアがなかなか動かない無失点推移の展開も好ましい。仮にどちらも譲らない試合展開になれば、ロングスローを含めたセットプレーの精度が勝負を分けるかもしれない。
均衡状態を破るには、交代カードの活躍も必要不可欠。町田はミッチェル デュークがケガから復帰し、交代カードの幅が広がった一方で、名古屋もなりふり構わず勝点が欲しい状況になれば、パトリックのシンプルな高さを生かすという手札もある。黒田監督、長谷川 健太監督の両指揮官による交代策にも注目だ。
[ 文:郡司 聡 ]
