ホームの町田は昨季から国立で四度ホームゲームを開催してきたが、2分2敗で勝利がない。普段のホームである町田GIONスタジアムとは違う大観衆が詰めかける試合で勝てていないことは選手たちも気に掛けている。下田 北斗はこう言った。
「来季以降も国立でホームゲームを開催する機会もあると思うし、それを踏まえると、国立で結果が芳しくないというイメージを払しょくしておくのは大事なこと。またFC東京は同じ東京都内のクラブなので、『自分たちのほうが強いんだ』ということをしっかりとサポーターの皆さんに示していきたいと思う」 “五度目の正直”へ。国立で初勝利の凱歌をあげることは、町田にとって優勝戦線にまだまだ食らいついていくことを意味する。「一戦必勝で臨むことに尽きるし、勝てなければもう終わる」とは下田の言葉だ。
FC東京戦の重要度を物語るように、今節に向けた4日間の練習はすべて完全非公開となった。チームは集中した環境でFC東京戦に向けての準備を整えてきた。
1-2で競り負けた前節・鳥栖戦は累積警告による出場停止だった昌子 源が遠征に帯同。主将として遠征先の宿舎でミーティングに参加し、チームを鼓舞してきた。鳥栖戦では結果につながらなかったものの、FC東京戦は昌子が戦列に戻ってくる。「(失点)ゼロベースがコンセプト」(下田)のチームに、精神的支柱でもある昌子が復帰することは選手たちに大きな影響を与えるに違いない。
攻撃陣に目を移すと、エースの藤尾 翔太が累積警告による出場停止を余儀なくされる。鳥栖戦では右サイドハーフとして途中出場し、サイドから打開することで相手を苦しめた。交代カードとしても計算が立つ藤尾の欠場は痛手だが、勝利のためには外国籍枠の制限を含めた競争に打ち勝ったアタッカー陣の奮起が欠かせない。鳥栖戦は2トップの一角に配置された相馬 勇紀の起用ポジションにも注目だ。
対するアウェイのFC東京は、新国立で9戦無敗。新装された日本サッカーの聖地では8勝1分と無類の強さを誇っている。そうした“不敗神話”は、FC東京の選手たちの大きなエネルギーとなるに違いない。
FC東京は前々節、現在首位に立つ神戸を2-0で撃破している。潜在能力を秘めたFC東京は、下田の言葉を借りれば「前へ出ていくスピードやカウンターが速いし、両ウイングの個性を生かしながらSBもガンガン上がってきて、スピードアップをした攻撃を仕掛けてくる」。守から攻への切り替えがスピーディーで、ゴールへと直線的に向かってくるチームスタイルは、町田をきっと手こずらせるに違いない。
J1の先輩クラブであるFC東京としては、J1“新参者”の町田にシーズンダブルを食らうことはプライドが許さないはず。先輩の貫禄が5戦未勝利と悩める新興クラブを呑み込むか。熱戦は必至だ。
[ 文:郡司 聡 ]


