得点こそ両者『1』だが。続いた見ごたえのある攻防
京都サンガF.C.
監督
J1へ昇格してきたとき、川崎さんにチャレンジして「あのチームに勝つぞ」ということを選手に伝えてから、3年になります。お互いのスタイルが出た見ごたえのある試合だったと思いますし、欲を言えば勝点3を取りたかったですが、先制点を奪われて、運もあったPKで、それも最初に止められたのをもう一度やり直して蹴れたことも含めて、自分たちにとっては悪くない勝点1だったと思います。 今日のミーティングで“一意専心”という言葉を使いました。われわれはここで広島に大敗(J1第15節/0●5)したあと、ともすればやるサッカーを変えたり、違うことを選手たちとやっていれば、いまよりも良い結果が生まれていたのかもしれませんが、僕自身はそうは思っていません。前期に勝点を失ったことであらためて自分たちの良さに向き合えたし、その時間を自分が与えられて、やれることを全力でやる、スタッフと選手たちで全力で取り組んだことで、今日の勝点が生まれたと思います。3連勝したかったし、(他会場の結果によっては)今日勝てば残留が決まることも知っていました。そういう中で悔しい勝点1ではありますが、選手たちはよく頑張ったと思います。 --前半から高い位置でボールを奪ってチャンスを作ったが、最後のところで決め切れませんでした。広島戦以上にそういうチャンスの数はありました。そこで決められなかったところは反省すべき点がありますが、川崎さんを相手にそこまで行ける場面を数多く作れたことはポジティブなことです。あとはそれを決められるように、シュートを打つ選手だけでなく、周りの選手も助けるとか、いろんなことができると思います。来週はインターナショナルマッチデーでJ1もJ2も試合が行われない日程ですが、われわれだけが延期になった試合があります(※台風10号の影響で中止となったJ1第29節・京都vs鹿島のほか、同理由で中止となった第29節・磐田vs横浜FMも行われる)。日本代表に負けないような試合をしなければいけないと思っています。 --京都の良さが出て、川崎Fの良さも出た試合でした。守備面で相手を抑えられなかった部分もありますが、どう見られていますか?海外のチャンピオンズリーグでも(どんな強豪であっても)一方的にやりたいことだけができる試合はありません。(強豪ではないチームが)相手の穴を突いて攻撃を仕掛けることもあります。僕が試合を見ていて感銘を受けるのは、お互いのチームがサポーターの前で自分たちを見せていくこと、それがぶつかり合うのが試合だと思います。川崎さんの良さを消すために、自分たちの良さが薄まってしまうのはサンガらしくないと思っています。勝たないといけない、そのために“らしさ”は必要ないんじゃないかと言われるかもしれませんが、やはり“そのチームらしさ”が僕は必要だと思います。今日の試合、失点シーンなど反省すべき点はありますが、自分たちのサッカーは相手の脅威になり得たと思います。そういう勝点1だったと、捉えています。
川崎フロンターレ
監督
川崎フロンターレ
FW 20
試合前から、ボールを奪ったあとに背後は狙っていこうとしていました。そこはランニングできましたし、(大島)僚太くんは練習からああいうボールを出してくれます。うまく自分の前の空間にボールを置いてくれたので、ファーストタッチで相手の前へ入ることができて、そこで(自分の)空間を作れたのでGKを見て、シュートを流し込めたと思います。京都は前からプレスに来ますし、マンツーマン気味に来るぶん、背後のところはチームとして狙いを持っていました。 --先制したあと、追加点を取るか、逃げ切るかをする必要がありましたが。追加点もそうですし、先制したあとの試合運びで相手にチャンスを与える機会も多かったです。展開の早いゲームだったので、もっとうまく時間を使いながら、相手を揺さぶりながら攻撃ができれば、相手の勢いを弱められたと思います。追加点を取らなきゃいけなかったし、追いつかれたあともチャンスはありました。自分がもう1点取れれば良かったんですが、試合運びは勝ち切るために重要です。今年は勝ち切れない試合が続いているので、そこは全員が合わせることが重要です。
相手の前線はボールが収まるので、そこを収めさせない、起点を作らせないことを言われていました。起点をつぶすことはできていたなと思います。ピンチはどの試合でもありますし、そこをうまく防げていました。PKはもったいなかったですが、次の試合へ生きるのかなと思います。 --相手がハイラインの中での、ボールの動かし方について。相手がけっこう前から来ていたのもありますが、ボールを大事にしていこうというのもありましたし、裏へ蹴って陣地回復というところもありました。相手のハイラインのところを(ついた山田)新がうまく点を決めてくれたので、1-0で終わりたかったんですが……仕方のない失点だったと思います。 --終盤はオープンな展開になったが。ああいう展開になるのはしょうがないと思うので、そこで失点をしないことだけを考えてプレーしました。
両チームのサポーターが非常に良い雰囲気を作ってくれた中で試合ができたことを感謝しています。その中で、自分たちのところでは前半に得点チャンスがなかなか生まれませんでしたが、我慢した中で後半に先制したので、とにかく勝ち切りたかったゲームではありました。ただ、追いつかれたあともしっかり体を張ることはできていました。いろんな意味で最後のところを頑張るところでは、連戦の最後でよく頑張ってくれたなと思っています。 --前半、お互いにハイテンポでしたが、どう感じましたか?そして後半開始時の3選手交代について。スタートから前へ前へという選手が多く、そこは自分が求めていたところでもあります。そこはよくやってくれていましたが、行ったり来たりの非常に難しい展開になっていました。縦が早く、もう少し横の揺さぶりが出てくれば良かったので、3人を交代させました。後半は少しボールの落ち着き、前でポイントを作りたかったです。ただ、前半にプレーした3人が悪かったわけではなく、ミーティングから「どんどん行って、交代していくよ」という話もしていました。 --チャンスがある中での1-1という結果をどう捉えていますか?また、選手にはどんな話をしましたか?やっぱり1-1は悔しいです。特に最後のほうは押し込んだ場面も数多くありましたし、最後の質が勝負じゃないかという話はしています。ただ、試合全体での質では、普段なら起こらないようなミスも数多くありました。そこは反省点です。ゴールを取るためのアイディアや、最後のところが少しクロスだけになってしまっていました。GKがキャッチする場面も多かったです。サイドをもう1つえぐったあとの迫力や人数では、ゴール前でボールがこぼれたシーンで相手のほうが人数が多かったりしました。そういう人数のかけ方も、まだまだやらなきゃいけません。(連戦で)疲労もあっただろうけれど、疲労が出ないくらいの質を求めることは、残り数試合しかありませんがやり続けるべきところかなと思います。 --直近のACLEリーグステージ第4節・上海海港戦で勝利したが、リーグ戦ではなかなか勝利につながらない。自分自身としては、1つでも上を目指したい。あとは勝ちと同じくらい、サッカーを見ている人を魅了したいという思いはあります。それがあるからこそ、勝ちにつながるところがあると思っています。そこは徹底して伝えていきたいです。あとは残り少なくなってきた中で、選手自身が楽しむこと。それが勝利にもつながります。楽しむことと勝つことが別じゃないような、そういうものは貫いていきたいです。そのためには、得点だと思います。みんなが喜び合える場面を、何回も何回も出せるサッカーをしていきたいです。
京都サンガF.C.
FW 99
ラファエル エリアス
マルコ(トゥーリオ)は本当に素晴らしい選手で、PKもよく一緒に練習しています。(一度目のPKで)彼が決められなかったことは悲しかったですが、やり直しになって自分が蹴ることになったときは彼のためにも、勝点が必要なチームのためにも決めるんだ、という気持ちで蹴りました。それが結果につながって良かったです。 --PKを誰が蹴るのかについて。マルコと話をして決めました。彼のほうがこのチームに長くいますし、「蹴りたい」と自信を持っていたので、任せるべきだと思いました。 --前半からチャンスは作りましたが、得点はPKの1点のみに終わりました。それは練習してさらに改善したり積み上げていくものです。ラストパスだったり、ファイナルサードでどうするのかなど、得点を取れなければそこを修正していくものだと思います。次、またホームで鹿島戦がすぐにあるので、そこへ向かってみんなで全力で取り組んでいきたいです。
MF 39
平戸 太貴
良い試合への入り方はできました。良いボールの奪い方から、良い攻撃も出せていました。そこの自分たちの良さは出せたので、クロスの質やシュートの質など、最後の局面を合わせることができれば得点は取れたのかなと思います。お互いにチャンスがありましたが、勝点1を取ったとも言えるし、勝点3を逃したとも言えるような試合だったのかなと感じています。 --京都の良さが出た一方で、川崎Fの攻撃の良さも出ていました。守備面については?後半は家長(昭博)選手が入ってきて、あそこでうまく時間を作られたり、相手の攻撃の厚みも出てきました。失点シーンは大島(僚太)選手の、前線の選手の動き出しを逃さない質は高いなと感じました。背後を狙ってくるボールや、自分たちの対応がもたついた場面を狙ってくるところなどの質は高かったです。 一方で、プレスを外される場面もあったけれど、ある程度はボールを奪えて攻撃につなげられています。(改善点としては)自分たちもボールを奪ったあと、速攻だけではなくて押し返して相手陣地でプレーする時間を、もう少し長くできれば良かったかなと思います。速い攻撃をして、そこから相手ボールになったところを奪い返して、2次攻撃や3次攻撃ができるように。相手の前線が攻め残っていることもあったんですが、そこのリスク管理もしながら戦えれば、ウチの攻撃の厚みも出せたんじゃないかと思います。
MF 37
米本 拓司
良い形でボールを奪うのがサンガの特長だと思うし、自分もそういうものは特長にしているので、しっかり出せればと思って試合に入りました。川崎は技術の高い選手が多くて個の能力が高いチームですが、自分たちもひるむことなくしっかり寄せてボールを奪い切ること、そこから良い攻撃へつなげていこうという練習をしてきました。前半は何度か、それが良い形につながったと思います。(前半で多く作ったチャンスを決められなかったのは)自分も含めて、その精度は足りなかったなと感じています。それじゃ何も残らないし、結果を残すためにはしっかりとこだわっていく必要があります。 後半、川崎はもう少しつないでくるのかなと思いました。交代選手を見ても大島(僚太)選手や家長(昭博)選手を入れてきて、落ち着かせるのかなと。そこから(京都は)奪って速くカウンターというのは、もう少し意識できるところかなと思っていました。結果的に自分の縦パスから奪われて失点して、まだ映像は見れていないんですが、あそこはもう少し強くパスを出すべきだったのかもしれません。それでも僕が交代してから、チームが追いついてくれたので助かりました。 --今日でJ1残留が決まる可能性がありましたが、チームでその話はしていましたか?特になかったというか、「それを意識する前に、まず目の前の試合を戦おう」という話を監督もしていましたし、個人的にも一試合一試合を大切にして戦おうと思っていました。残留の意識よりも、1つでも上の順位へ行くというフェーズだと思います。このチームは若いので、良い試合をして来年につなげて、なおかつ勝点を拾って1ケタ順位で終われれば、またステップアップしていけるんじゃないでしょうか。残り3試合ありますが、しっかりと結果も内容もこだわって、自分たちが取り組んできたことを出したいです。