ホームの清水は、前節終了時点で3勝2分4敗。開幕2連勝と好スタートを切ったのはもはや過去の話で、リーグ戦直近5試合で見ると、1勝4敗と苦境に立たされている。加えて、9日に行われたJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦では磐田に1-2と逆転負け。リーグ戦の悪い流れを断ち切りたい“静岡ダービー”だっただけに、試合後には秋葉 忠宏監督も「非常に大きなダメージの残るゲームになってしまいました」と肩を落とした。
明確な懸念点は、直近の公式戦3試合連続で前半もしくは後半の立ち上がりに失点を喫していることだろう。前々節・浦和戦では前半のキックオフからわずか4分後に先制点を奪われており、前節・横浜FC戦では後半開始から5分後に均衡を破られている。大幅にメンバーを入れ替えて臨んだ磐田戦でも、後半のキックオフから8分後に同点ゴールを許した。
秋葉 忠宏監督は横浜FC戦後、ミーティングを通して“緩さ”を指摘したものの、磐田戦でも改善に至らず。今季のリーグ戦で清水は敗れたすべての試合で先制点を奪われていることから、秋葉 忠宏監督は「僕を含めたマネジメントの責任。必死になって、最適解を見つけたい」と話していた。
清水が磐田との“静岡ダービー”を戦っている裏で、川崎FはJ1第5節で横浜FMとの“神奈川ダービー”に臨んだ。試合は二転三転する激しいシーソーゲームに。川崎Fは2-1とリードして終盤に突入したものの、89分、90+2分の失点で瞬く間にビハインドに立たされる。それでも、最後は90+10分に右CKから高井 幸大が執念の同点ゴール。土壇場で引き分けに持ち込んだ。
その横浜FM戦は、直近の第9節・町田戦からスタメン9名を入れ替えていた。試合後、長谷部 茂利監督は「勝ちゲームを逃した」と悔しさを口にしていたが、チームの総合力は確実に高まっている。
9試合を終えて4勝4分1敗と、“長谷部フロンターレ”の滑り出しは上々と言える。もともと“止める・蹴る”の技術力に定評があったチームに、今季から就任した長谷部 茂利監督が組織力とハードワークを植えつけたことで、4シーズンぶりにJ1の頂点を目指せる手ごたえを得ている。今節はアウェイの環境面もはね返し、3試合ぶりの白星をつかみたい。
両チームとも大型連戦の真っただ中におり、トレーニングに時間を割くことができない厳しい状況ではある。ただし、前回の公式戦ではメンバーを入れ替えたことで、今節に向けたコンディション面の不安は甚大ではないはずだ。
そんな一戦で勝利するのは、現在の不調を払しょくして中位からの脱却を狙う清水か。それとも、直近5戦無敗という成績をさらに安定させ、優勝争いをけん引することをもくろむ川崎Fか。
[ 文:榊原 拓海 ]

