その湘南戦は、序盤こそ平岡 宏章監督が「相手が予想していたシステムと違う形をとってきて、それに戸惑ったのと、彼らのスタイルに押されてピンチもあった」と話すように、ボールを持たれる時間もあったが、粘り強い守備で切り抜ける。すると、32分に鈴木 唯人のスルーパスを受けた中山 克広が先制点を奪取。さらに36分には右CKから最後は鈴木 唯人が押し込み、38分には右サイドを抜け出した鈴木 唯人の折り返しを白崎 凌兵が合わせて、7分間で3得点を奪い圧倒的な優位を手にした。後半開始直後の50分に1点を返されるが、59分にCKから鈴木 義宜が押し込んで4-1。この結果、清水は順位を4つ上げて12位へと浮上している。
大勝を飾ったが、白崎が「この勝利をつなげていくため、良いものにしていくためには次が大事。勝ち続けること、連勝することで自分たちの自信が確信になってくる」と話すように、今節の川崎F戦で勢いが本物であることを確かめたい。清水はここ2試合で6得点と攻撃陣が好調だが、その2試合はいずれもクロスから失点を喫している。前節もスーパーセーブでピンチを救ったGK権田 修一を中心に、そこをどう修正していくのか。前節よりも守備の時間が増えることが予想されるため、いつものように守備から入ることは、この試合は特に大事になるだろう。
一方の川崎Fにとっては、マレーシアで行われていたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージを戦い終えてから最初の試合になる。
川崎Fはグループステージ6試合を2位で終えた。2位の場合は、東地区5グループの2位チームの中で成績上位3チームに入ればノックアウトステージ進出となるが、そこに入ることができず、敗退が決まっている。
ここからは国内タイトルに的を絞ることになるが、川崎FはACLの期間中に首位の座を明け渡している。消化試合が1試合少ないとはいえ、現在の首位・鹿島とは勝点5差。昨季までのように他を圧倒する勝点を積み上げることができず、すでに昨季に並ぶ2敗を喫している。その要因の1つとして、失点数がすでに『12』と、守備で踏ん張りが利かないところが見受けられる。ここまでの2敗はともに4失点を喫してのものであり、時おりらしくない戦いを見せているのが気がかりだ。今節は、そうしたこれまでの戦いとは見切りをつけて、どれだけ強さを取り戻せるか。清水との公式戦は直近の14戦で無敗が続いており、この相性の良さを生かして“再スタート”を切りたい。
[ 文:田中 芳樹 ]

