ホームの町田はミッドウィークに甲府とのJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦を1-0で制し、3回戦への進出を決めた。「ウチのチームらしいスコア」と岡村 大八が振り返ったように、最少得点差でのクリーンシート勝利は、“黒田ゼルビア”の代名詞とも言うべき、理想的なスコア。「3-1よりも1-0」(黒田 剛監督)のスコアを好む指揮官の“イズム”が凝縮されたような格好の勝利は、今後の戦いに向けて、チームが上昇気流に乗るきっかけとなるに違いない。
メジャータイトル獲得をシーズン目標に掲げている町田にとって、難しいルヴァンカップの初戦を勝ち抜いた価値は大きく、甲府戦後の黒田 剛監督は「次のステージに進めたことをポジティブに捉えて、次の国立での浦和戦に向かって準備をしていく」と語った。
ただ、前節・川崎F戦から中2日で戦った甲府戦は、黒田 剛監督体制の過去2シーズンと比べて、直近のリーグ戦から大幅にメンバーを入れ替えることなく戦った。特に3バックの陣容は、岡村 大八とドレシェヴィッチが川崎F戦に続いてフル出場し、ベンチスタートだった昌子 源も菊池 流帆の負傷交代により29分からピッチに立っている。最終ラインの疲労度が浦和戦にどう影響するか。1つの注目点だろう。
一方の浦和はミッドウィークに公式戦を消化せず、1週間にわたって町田戦に向けた入念な準備に取り組んできた。フレッシュなコンディションで臨めることは、優位に働く可能性もあるだろう。
それでも、今季の浦和はここまでアウェイで勝利がなく、勝点を思うように伸ばせていない遠因となってきた。節目の第10節を1つの境に、そろそろ“内弁慶”を克服したいに違いない。
浦和が勝機を見いだす上でキーマンとなりそうな選手が、ケガから復帰以降、3試合で2得点を決めている渡邊 凌磨か。町田戦へ向けた準備期間には自身のSNSで結婚を公表したため、直後の町田戦に期する思いは強いはず。ケガから復帰後も“起爆剤”となっているアタッカーが、首位で今節を迎えるチームを撃破する原動力となるかに注目だ。
また、浦和には前所属の新潟で“町田キラー”的存在だった長倉 幹樹がいる。昨季のルヴァンカッププライムラウンド準々決勝第1戦では、今季も町田の主力を張る昌子 源やドレシェヴィッチを擁する最終ラインから1人で4点を奪う離れ業をやってのけた。また、長倉 幹樹は同年のJ1第17節で新潟が町田を3-1で撃破した際にも活躍。相手陣での空中戦で相手から自由を奪い、町田のプレーリズムを狂わせることでチームの勝利に貢献していた実績がある。前節・福岡戦のプレータイムが7分だった浦和アカデミー出身のアタッカーは、陰のキーマンと言っても過言ではない。
[ 文:郡司 聡 ]


