今季の明治安田J1も残り3試合。5位・広島は、勝点3を獲得しても首位・鹿島と2位・柏の結果次第では優勝の望みがついえる状況で今節を迎えることになった。8位・浦和はすでに優勝の可能性も降格の可能性もない状況にいる。お互いに難しいシチュエーションだが、エディオンピースウイング広島のチケットは今節も完売している。両チームのファン・サポーターとともに勝利を目指す熱量が変わることはないだろう。
選手もそれぞれにモチベーションを持って今節に挑むはずだ。今季開幕後に浦和から広島への完全移籍を決断した
前田 直輝は、締まった表情で語った。
「自分の中ですごく大きな決断をして、すごく悩んだ結果、ここに挑戦をしに来た。それに対していろんな声があるのも重々理解していますし、そういう中でもピッチで少しでも成長した姿を見せられたらなと思います」 ここまで多忙なルーキーイヤーを過ごしてきた
中村 草太は、浦和戦に2つの意義を見いだしていた。
1つは、埼玉スタジアム2002で行われた第12節(0●1)のリベンジだ。「アウェイのときは自分のミスから(マテウス)サヴィオにカウンターで行かれたので、その悔しさを晴らしたい思いがある」。
中村 草太は自分がボールを奪われてカウンターを受けて失点を喫し、それが決勝点となって敗れた試合の悔しさをまだ覚えていた。
そして、昨季のJ1開幕戦で広島が浦和に勝利したEピースでのメモリアルゲームも
中村 草太は覚えていて、こう語っている。
「ほぼオールコートマンツーで前からプレスに行って勝利した試合をDAZNで見て、よりサンフレッチェ広島に行きたいなと思いました。前からどんどん行くプレスを見ていてすごく興奮したので、今回もそういった試合をしたいなと思っています」 一方、今季広島から浦和へと完全移籍した
松本 泰志も今節に並々ならぬ思いがあるだろう。
「プロの世界をまったく知らない自分を温かく受け入れてくれたことから始まり、いつの間にかサンフレッチェ広島だけでなく街全体を大好きになっていました。だからこそ、この(移籍という)決断をするのはすごく悩み、本当に時間がかかりました。ただその中で、地元のクラブでプレーするという昔からの夢をかなえるために、この決断をしました」 移籍を発表した際のコメントには、こう書かれている。その
松本 泰志も今節の注目プレーヤーの1人になる。
シーズンはもうすぐ終了するが、だからこそ目は離せない。広島はJリーグYBCルヴァンカップを優勝したあとも息つく暇もなく試合が続いているが、チームはファイティングポーズを取り続けている。もう1つのタイトル獲得を目指す次週の天皇杯準決勝につなげるためにも、今節を全力で戦い抜くスタンスだ。浦和は約2週間ぶりの試合。たまったパワーを爆発させるようなパフォーマンスが期待される。
[ 文:寺田 弘幸 ]