長崎は前節・清水戦で2-1と勝利。それ以前の4試合は3敗1PK負けの4連敗で、5試合ぶりの勝点3となった。早い時間帯に清水に退場者が出て、数的優位を生かした末の勝利ではあったが、その退場も事故的なものではなく、長谷川 元希が背後を取ったからこそ築けた優位性だった。
第10節・福岡戦までの長崎は背後を狙う意識が薄く、前方向への守備がタイトなチームと対戦した際に苦戦する傾向にあった。だが、第11節・広島戦から背後や縦への意識が高まり、前節はそれが結果となって表れた試合だった。
内容面の課題が1つ解消されつつある現在、新たな課題はそれをチーム全体が遂行できるかという点にある。清水戦の前の囲み取材で、高木 琢也監督は次のように語っていた。
「連戦に入っていく中で、いまウチも陣容的にすべてが整っているわけではない。この間のメンバーに替わる人が出たときに、同じことがちゃんとできるかが全体で問われていく」 現在の長崎は負傷者が多く、選手層が厚いとは言えない状態で連戦に突入している。中3日での試合が続く中、清水戦でのスタメン変更は1人のみにとどまった。疲労がたまっている選手もいることだろう。
選手起用について「プレーの時間とか走行距離とか、そういった(客観的な)部分で判断しないといけないところが出てくる」と、高木 琢也監督は疲労度を考慮する方針を示している。稼働できる選手全員が戦力という中でどのようなメンバーで試合に入り、そのメンバーで前々節・G大阪戦や清水戦のようなサッカーを展開できるのかがポイントとなる。
こちらも中3日での試合となる名古屋は前節、岡山と対戦。先制したものの、89分に同点ゴールを奪われ、PK戦の末に敗れた。5連戦はここまで1勝1PK負けという結果で、グループ2位につけている。
最近の武器となっているのがセットプレーだ。前々節・清水戦ではCKから杉浦 駿吾が追加点を挙げ、岡山戦でもCKから、甲田 英將が決めている。いずれも共通しているのが、こぼれ球に詰めて生まれた得点だということ。
キッカーを務める中山 克広や森島 司らのキックの精度が高いことはもちろん、こぼれ球に対する意識も高いからこその得点だ。ペトロヴィッチ監督が志向する攻撃的なサッカーによってそもそものセットプレーの回数が多くなっていることも含め、現在の名古屋はセットプレーで得点を奪うまでの流れがかみ合っている。
名古屋は首位・神戸を猛追するためにも勝点3が必要で、10位の長崎も浮上のために90分勝利が欲しい。それぞれの目的を達成するために、勝点3をめぐる戦いが白熱することは間違いなさそうだ。
[ 文:椎葉 洋平 ]
