鹿島は前節、町田と対戦。激しい攻防の末に90分を1-1で終え、PK戦を制して勝点2をもぎ取った。それまで二度行われていたPK戦ではともに敗れていたため、初のPK戦で勝利を手にした鬼木 達監督は「やっぱり勝って終わると雰囲気が全然違うと思いました」と、勝点2をポジティブに受け止めていた。リードしたあとのゲーム管理に課題を残したものの、追加点を奪うために畳みかける姿勢は、それまでの試合では見られなかったプラス要素だ。また、ケガを負っていた田川 亨介と小池 龍太が前節でメンバーに復帰したほか、今節は三竿 健斗の出場停止が明ける。中2日の連戦という厳しい条件はあるものの、戦力自体に問題はない。
対する水戸も連戦に苦労しながらも、選手をうまくやり繰りして自分たちのスタイルを貫いている。前節・横浜FM戦では樹森 大介監督が「3~4試合前から計算したメンバーで挑みました。いかに横浜FMさんに対して優位性を持てるかという人選をしました」と語るように、直近の試合から先発を5人入れ替えながらも戦術的な一貫性を発揮。水戸らしい粘り強さを見せながらエース・渡邉 新太のゴールもあり、PK戦の末に勝利している。水戸は中3日と鹿島と比べて少しだけ日程的な余裕はあるが、どちらのチームも誰が出ても同じ戦いができることを目指している。チームとしての完成度が問われる試合となりそうだ。
今大会においては初めての連戦を戦っている最中だが、鹿島の選手たちの鼻息は荒い。エースストライカーであるレオ セアラは「僕はすべての試合に出たいと思って準備している。おそらくみんながそう思っていることが良い方向に進んでいる」と、試合に出て活躍したいという気持ちが好調の原動力になっていると話す。前回対戦でダービーであることを強調した鬼木 達監督は「プレッシャーはあまり与えたくないんですけど、実際にチケットが完売したり注目度があるのは年間を通してそんなに多いわけではない。プロ選手として、プロの指導者としてこだわってやっていきたい」とあらためて強い意気込みを示す。
そうした姿勢は鹿島だけのものではなく、水戸の選手や監督にも言えることだろう。コンディションが完璧ではないからこそ、余計に勝ちたい気持ちの強弱は試合に色濃く影響を及ぼす。激しい意地と意地のぶつかり合いに期待だ。
[ 文:田中 滋 ]

