神戸が立ち上がる意志を強く見せた。前々節でG大阪に0-5の大敗を喫した中で迎えた前節・広島戦、序盤からペースを握られ、先制点も許す苦しい展開だったが、GK権田 修一がビッグセーブ連発でチームを鼓舞する。そして、63分に小松 蓮が起死回生の同点ゴールを挙げた。
「福岡の碓井(聖生)選手、浦和の小森(飛絢)選手、(横浜FMの)谷村(海那)選手もそうですけど、J2でやっていた選手がJ1でも点を積み重ねているし、『やっぱり足を振らないとダメだ』というのがあった。今日はそれを強く意識した」 昨夏にJ2秋田から加入した小松 蓮は、90分を1-1で終えてもつれ込んだPK戦で5人目のキッカーを務め、確実に決めて勝ちを呼び込む。権田 修一も見事なPKストップを披露するなど、劣勢をはね返した神戸が価値ある勝利を飾った。
AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ファイナルズの激闘を終え、いきなり突入したJ1百年構想リーグの連戦。アジア制覇という大望が絶たれた中、心身には大きな負荷がかかっていた。「広島戦の出来が良かったとはもちろん言えないけど、この間(G大阪戦)の負けをどんな形であれ『やり返すんだぞ』というのを見せなきゃいけない試合だと思っていた」と話したのは酒井 高徳。抱えた負荷を乗り越え、勝ち切ってみせた。それはいまの神戸というチームの縮図だ。酒井 高徳はチームの思いを代弁した。
「行くところまで行くときは簡単に行けるけど、人生もサッカーも、一度悪い流れに入ったときは、今まで頑張ってきた以上のことをやらないとその場所に戻れない。もう1回、歯を食いしばって、やらなきゃいけないことに目を向けて、1個ずつ進んで、またいっぱい苦労して、あの舞台(ACLE)に戻らなきゃいけない。Jリーグは甘くない。簡単に出場権なんかくれない。そんなに簡単には戻れない。だから、もう一度チャレンジ精神をしっかり持ってチームとして進まなきゃいけない。広島戦みたいにチームで盛り返して、1個ずつ、少しずつ、また良くなっていけるように試行錯誤しながらやっていきたい」 あらためて戦う意味と強く向き合った神戸。良い流れを着実につなげたい今節の本拠地戦となる。
一方、勝点で並ぶ首位・名古屋と2位・神戸を8ポイント差で追いかける岡山。前節・長崎戦は1-2で敗戦を喫したものの、直近は上げ潮ムードにあると言っていいだろう。第12節で福岡を2-0で下すと、第13節では名古屋と1-1の末にPK戦勝利。前々節の“中国ダービー”では1-0の粘り勝ちを収めるなど、勝利に食らいつく姿勢をピッチで体現している。
前々節は先発7人、前節は同8人と、現在の連戦をメンバーの入れ替えを実施しながら戦っている岡山。前回の神戸戦は1-4で敗れたが、後半から出場したルカオを中心に完全にペースを掌握する時間帯も作っていた。木山 隆之監督の采配を含めて勝機を手繰り寄せられるか。上位との差を縮めるための譲れない試合に挑む。
[ 文:小野 慶太 ]
