怒とうのゴールデンウィーク連戦が終わり、リーグ戦も残すところあと2節。明治安田J1百年構想リーグも佳境となった。J1百年構想EASTグループの首位争いは3チームに絞られたが、その中で現在2位につけているのがFC東京だ。
残り2試合で首位・鹿島とは4ポイント差にあり、今節90分で敗れれば自動的に首位浮上のチャンスは消滅。鹿島の結果次第では徒労となってしまうが、勝利が絶対条件になる。前々節・千葉戦を落として連勝がストップしたものの、前節・東京V戦は後半アディショナルタイムの劇的な勝ち越しゴールで逆転勝利。士気は旺盛だろう。
また、今回は師弟対決の様相も呈している。
稲村 隼翔は「タツさん(田中 達也暫定監督)に教わって成長した部分が多い。また学びたい気持ちもある」と、新潟時代を振り返る。2024年に新潟のトップチームアシスタントコーチだった田中 達也監督の指導を受け、翌年の新潟U-18監督としての振る舞いも見ていたのだろう。浦和の変化を「タツさんらしいサッカーをしている」と受け止めていた。
一方で田中 達也監督からすると、FC東京の松橋 力蔵監督は新潟時代にコーチとして支え、また師事した立場。思わぬ形とタイミングで恩師と対峙することになった。両監督の采配合戦も注目となる。
浦和は田中 達也監督が指揮を執ってからの4試合を4連勝で駆け抜けて連戦を終えた。選手たちはボール保持重視に傾いた戦い方を好意的に受け止め、結果が出たことで自信も取り戻し、良い状態にある。とはいえ、自信過剰には陥っていない。
「まだ4試合だし、もっと対策してくるチームも出てくると思うので、そうなってきたときにまたどうなるかというところだと思います。(相手が)全部調子の良いチームではなかったし、謙虚にというか自分たちを見つめて、自分たちに矢印を向けてというところは本当に意識しなきゃいけない。次(今節)のFC東京や(次節の相手・)町田といった上位、優勝争いをしているチーム相手に何ができるかだと思います」(
石原 広教)
石原 広教は充実感と自信を抱きつつも、そのように語った。また、保持で結果が上向いた状況ながら、「(相手は)カウンターも持っているから、別に持たせて取るでも全然いいと思う。(前々節・)柏戦は実際にそれで勝っているし、自分たちが握り続けることが別に正義ではない」と保持にこだわらない姿勢も見せる。どちらがボールを握り、どちらが逆襲を狙うのか、試合展開や時間帯によって刻々と変化していくことになるだろう。
そして、ここまでスクランブルで指揮を執ってきた田中 達也監督にとって、今節は1週間の準備がある初の試合となる。12日の公開練習では、タッチ数制限を緩めてポゼッションを促進しつつ、ゴール前ではワンタッチの素早いコンビネーションを求めるといった“色”も見てとれた。シンプルな整理によって結果を出した先に、より良い内容へと進めるか。田中 達也監督のさらなる手腕の披露に期待がかかる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]