
8月22日、メルカリスタジアムにて鹿島と福岡の一戦が行われる。秋春制に移行した新シーズンも第3節となり、悪くないスタートを切った両チームにとって、もう1つ勢いをつけるためにも重要な試合だ。
ホームの鹿島は、MUFGスタジアム(国立競技場)で行われた開幕戦で横浜FMとの壮絶な打ち合いを制した。特筆すべきは、ビハインドをはね返す驚異的な粘り強さだ。ストライカーのレオ セアラが2得点を挙げると、後半アディショナルタイムにはチャヴリッチが立て続けに2ゴールを奪い、4-3の劇的な逆転勝利を収めた。さらにホーム開幕戦となった前節・名古屋戦でも後半アディショナルタイムで勝ち越しゴールが決まり、劇的な勝利を手にしている。右CKの流れから小川 諒也のシュートを関川 郁万がコースを変えてゴールに流し込んだ。
明治安田J1百年構想リーグこそ、優勝が懸かったプレーオフラウンドで神戸に2戦合計スコアで敗れたものの、勝負どころでの決定力とメンタリティーは確実に研ぎ澄まされている。特に本拠地・メルスタでは熱狂的なサポーターの後押しを受けられるため、劇的な勝利を収める試合が少なくない。次の試合でも熱量の高さに期待がかかる。
対する福岡は、強固なブロックとチーム全体での連動したハードワークを武器に、着実に勝点を積み上げている。そんな手堅いチームに、今夏新たな推進力として加わったのが、1トップを務めるウェリック ポポだ。ロングボールのターゲットとして体を張るだけでなく、前節・C大阪戦で加入後初得点を決めて勢いに乗っている。そして、彼の周りでプレーするのが、この夏に鹿島から完全移籍で加入した師岡 柊生だ。前線からの献身的なチェイシングと抜群のボールキープなどで貢献しつつ、何をするのかが読めないスタイルを披露し、福岡でも不可欠な選手になりつつある。師岡 柊生にとって、今回は移籍後初となる古巣との対戦。プロキャリアをスタートさせ、J1百年構想リーグまでプレーしたクラブに対し、自身の成長と覚悟を示す絶好の舞台となる。

福岡で地位を築く師岡柊生。移籍後初の古巣戦に臨む
それを迎え撃つのが、鹿島の最終ラインに位置する関川 郁万だ。2人はともにFC多摩で育ち、小学4年生から互いの特徴を知り尽くす。幼馴染が互いにプロサッカー選手となり、鹿島でチームメートとして3年半戦えたことは奇跡のような巡り合わせだろう。「たまたまの縁で一緒のチームでできたわけじゃない。思うところはあります。だからこそやらせたくない」と関川 郁万は意気込む。おそらく師岡 柊生も同じ気持ちだろう。

師岡柊生に「やらせたくない」と意気込む関川郁万
チーム同士の戦術的な駆け引きはもちろんのこと、かつての仲間が異なる色のユニフォームを身にまとい、プロフェッショナルとしての誇りを懸けてしのぎを削る姿は、見る者の心を揺さぶるに違いない。鹿島がホームの圧倒的な空気感を味方に3連勝を飾るのか、それとも福岡がアウェイで貴重な勝点を奪うのか。注目のキックオフは8月22日18時だ。
[ 文:田中 滋 ]