明治安田J1第10節、東京VとFC東京が味の素スタジアムで激突する。今季最初の“東京ダービー”は、対照的な状況にある両者の一戦となる。
東京Vは開幕から4分5敗と9試合未勝利。10月5日に城福 浩監督との契約を解除し、8日には相馬 直樹氏の新監督就任を発表した。一方、FC東京は4連勝中と勢いに乗る。新体制で苦境の打破を目指す東京Vと、積み上げてきたものを進化させるFC東京。ダービーで勝点3をつかむのはどちらか。
東京Vは相馬 直樹新監督の初陣となった前節・広島戦で、フォーメーションを従来の[3-4-2-1]から[4-4-2]へ変更。前半は新たな戦い方を表現し、攻守に積極的な姿勢を見せたものの、後半に失速して0-2で敗れた。相馬 直樹監督は「前へというベクトルを強くしたいところは、表現してくれたと思います」と手ごたえを語りつつ、90分間続け切ることの難しさにも言及。今節も同じ布陣が予想される中、短い準備期間で生まれた変化をどこまでチーム全体に浸透させられるかが焦点となる。
対するFC東京は前節、浦和に3-0で快勝。長倉 幹樹が先制点を挙げ、安斎 颯馬と佐藤 恵允も続いた。今季ここまで9試合で6得点4アシストを記録する長倉 幹樹は、得点とチャンスメークの両面で攻撃をけん引するエースだ。チームとしても攻守の連係を高めながら結果を残しており、好調を維持してダービーに臨む。
東京Vにとって、この試合で注目したいのが守備の要・林 尚輝だ。相馬 直樹監督とは鹿島時代にも共闘した経験があり、新監督の求めるサッカーを理解する1人である。広島戦後、林 尚輝は守備の変化について「一定のところまでプレスは掛けず、イメージで言うと、網を張ってそこに誘い込んで取りにいくような守備に変わった」と説明。さらに「根本的なところや球際のところ、切り替えの部分は城福監督も求めていたことですし、相馬監督も求めていること」と語る。ディフェンスリーダーとして守備を統率し、今節は4試合ぶりのクリーンシートを目指す。

林尚輝には新体制でも守備を統率するリーダーシップを期待したい
そして、その守備の攻略に挑むのが長倉 幹樹だ。多彩な得点パターンを持つストライカーは、今季もエリア内で抜群の決定力を発揮している。相馬 直樹監督の下で守備の連動性を高めたい東京Vに対し、長倉 幹樹は特長とする動き出しや周囲を生かすプレーでその守備網をかいくぐり、連勝をさらに伸ばすゴールを狙うはずだ。

長倉幹樹はここまで9試合で6得点4アシストと圧巻の活躍を見せている
新体制の変化が問われる東京Vと、5連勝を狙うFC東京。[4-4-2]同士でマッチアップがかみ合う展開になれば、球際の攻防やセカンドボールの回収が勝敗を左右する。意地とプライドがぶつかり合う“東京ダービー”に注目したい。
[ 文:白谷 遼 ]