明治安田J1第6節・町田戦以来、45日ぶりに豊田スタジアムで迎えるホーム戦。上昇気流をつかみ始めた名古屋にとって、その勢いを確かなものにできるかが問われる一戦だ。相手はリーグ戦で苦戦が続くC大阪。ホームの声援を背に、勝点3を奪い切れるか。
名古屋が浮上のきっかけをつかんだのは、リーグ戦の中断期間中に行われたJリーグ ヤマザキビスケット ルヴァンカップ1stラウンド2回戦・北九州戦だった。「どんな相手であれ、勝てたことが大きかった」と多くの選手が振り返るように、たとえカテゴリーが下の相手でも、手にした白星はチームにとって何よりの良薬となった。そして前節、首位に立っていた柏を撃破。マンツーマンで激しく競り合い、相手に自由を与えず、ボールを奪えば素早く攻撃に転じる。その戦い方を90分間貫き、勝利を手繰り寄せた。
「途中から出た選手も含め、みんながやるべきことをやり切れた。チームとしてもっと上に行くために必要なことがこの試合にあった」と和泉 竜司は語る。単なる勝点3ではない。上位チームと渡り合うための戦い方を示し、勝利という結果につなげたことに大きな意味がある。
ただし、柏戦の勝利だけで復調を証明したとは言えない。ここで足踏みすれば、つかみかけた勢いも一過性のものに終わる。連戦の中でも強度を落とさず、精度をさらに高められるか。真価が問われるのは、むしろここからだ。
カギを握る1人が内田 宅哉だ。豊富な運動量と優れた状況判断を武器とするユーティリティープレーヤーがトップ下で起用されるようになり、チームの攻撃は円滑さを増した。「FW(前のポジション)として出るなら目に見える結果も出さないと」と語っていた内田 宅哉は、柏戦でリーグ戦約5年6カ月ぶりのゴールを記録。クロスに対してGKの前へ走り込み、合わせた一撃は、練習でも繰り返し決めてきた形だった。今後も再現性の高い武器となることが期待される。

トップ下で躍動する内田宅哉。さらに存在感を高めていきたい(写真は2026/27 J1第9節・川崎F戦)
対するC大阪も、浮上のきっかけをつかみたい。前節・川崎F戦は19分に退場者を出した中、二度追いつく粘りを見せたものの、勝点を積み上げられなかった。リーグ戦では5試合にわたって白星から遠ざかっているが、カップ戦では勝利を手にしている。きっかけ1つで流れを変え得る力は備えており、名古屋としても決して侮れない相手だ。
名古屋が警戒すべきは横山 夢樹。鋭いドリブルで局面を打開し、前を向けば一気にゴールへと迫る突破力が持ち味だ。U-21日本代表として出場した第20回アジア競技大会でも、その武器を存分に発揮し、攻撃の中心として存在感を示した。サッカー競技のメイン会場だった豊田スで、今度はC大阪の苦境を救い、アウェイに駆けつけるサポーターを沸かせられるか。将来の日本代表を背負う存在へと成長するためにも、苦しいときこそ頼れる選手であることを示したい一戦となる。

横山夢樹(写真中央)にはチーム状況を好転させる活躍を期待したい
どのチームにも好不調の波はある。だが、その波を大きくするのも、停滞を打ち破るのも白星だ。勝点12で並ぶ両チームにとって、ここでの勝利は単なる1勝以上の価値を持つ。名古屋がホームで勢いを本物にするのか。それともC大阪がアウェイで反転攻勢の足がかりをつかむのか。流れを引き寄せるための勝点3を懸け、両者の意地がぶつかる。
[ 文:斎藤 孝一 ]