ポゼッション志向のチーム同士の一戦。東京Vのホームで行われた明治安田J2第8節は、1-1の引き分けに終わっている。
新潟は前節、2位の徳島と対戦し、0-0で引き分けた。試合後、アルベルト監督が「リーガエスパニョーラで行われるような試合だった。両チームともボールを欲しがり攻撃的にプレーする、見ている人たちにとっても充実したスペクタクルな試合だった」と語ったように、非常に見ごたえのある試合となった。
際立ったのは、新潟のハイプレス。前線からの連動した守備が機能し、ボールを奪っては鋭いカウンターでチャンスにつなげた。相手GKのセーブにより得点を奪えなかったが、シーズン当初から目指してきた、より高い位置でボールを保持しながら戦うスタイルが成熟しつつあることが表現されていた。前掛かりになることにより生まれる背後のスペースは、早川 史哉や舞行龍ジェームズのカバーリングのうまさ、GK小島 亨介の守備範囲の広さによって支えられている。
守備が向上している中、J1昇格に向けて勝利は必須で、欲しいのは決定力。FWのファビオとペドロ マンジーが契約解除、渡邉 新太もケガから戻るにはもう少し時間がかかる中、ここ5試合で得点を挙げたのはDFとMFの選手たちだった。
FWは鄭 大世が3試合で先発を続ける。前節、8試合ぶりに出場機会を得た矢村 健は、「ファビオは同い年で仲も良かったので本当に悲しかった。でもどんな形であれ、チャンスは受け止めてものにしないといけない」と準備を怠らない。3試合ベンチ入りが続いている田中 達也も、「あと5分早く、監督が使いたいと思ってもらえるようにならないと」と出番を待っている。ここでチャンスを待つFW陣の本領発揮に期待がかかる。
東京Vは前節、山形と対戦。プレスをいなされ、背後を取られる形で失点を重ねると、圧力を強めた相手の前でスタイルを発揮できず、0-4の大敗を喫している。
ボールを持たれれば優位性を与えてしまうだけに、相手チームから受けるプレッシャーは厳しくなっている。もう一度、自分たちのストロングで圧倒することが勝利のカギを握るだろう。
ハイプレスに自信を深めた新潟と、パスワークで自分たちのリズムに持ち込みたい東京V。互いにボールを保持するために、どんな手段を選択しながらゴールを目指すかに注目だ。
[ 文:野本 桂子 ]

