隣県のプロビンチャがしのぎを削る。ただ、このカードに限っては松本が大きく勝ち越している。Jリーグに参入した2012年以降、リーグ戦では松本の5勝2分1敗。最後に敗れたのは、初年度のアウェイ1試合だけとなっている。「なぜか」と問われても、明快な回答を探すのは難しい。ただ、松本は甲府にめっぽう強い。数字が積み重なり、その傾向がいつしか練り上げられてきた。
そして今節は両チームとも、不本意な位置から脱却するための一戦だ。
まずはホームの松本。7試合を終えて1勝3分3敗の20位。仮にもJ1復帰を旗印に掲げるクラブが、この順位に甘んじていいはずがない。連勝を期した前節の磐田戦は序盤から主導権を握ったものの決め切れず、PKからの失点を機に崩れて1-4。狙いは実現できていても結果に結びついていない。「内容は悪くない、でも勝てない」という状況は、希望が見えているようでもあり危うくもある。
だからこそ、そのまま突き進んで白星をもぎ取るほかに道はない。前 貴之は「全員がバラバラにならず、いまやっていることに対して自分たちで要求し合って高め合って、自分たちのクオリティーを上げていくことがチームの勝利につながる」と強調する。
対する甲府も、停滞感を打破したいところ。明治安田J2第2節から3連勝を飾ったまでは良かったが、その後は2連敗。前節も北九州に勝ち切れず1-1のドローに終わった。3試合勝ちなしで6位。しかも今節は、過去1回も勝てていないサンプロ アルウィンに乗り込んでの一戦となる。移動負担は少ないはずなのに、なぜか苦汁を舐めさせられ続けている鬼門。ここを突破すれば、上位への足がかりが見えてくるかもしれない。
[ 文:大枝 令 ]