琉球は前節、水戸に何度も決定機を作られるも、プレスバックから見せる粘り強い守備と、GK田口 潤人のファインセーブが光り、無失点に防いだ。攻撃では相手が敷くハイラインの裏を突くパスでポケットに進入し、奪ったCKから清水 慎太郎がヘディングで沈め、途中出場の清武 功暉が今季初ゴールを決めている。
「(失点)ゼロに抑えられれば、90分を通して点を取ればいいという雰囲気がある」と話すのは、最前線に立つ阿部 拓馬。守備が安定しているからこそ、攻撃にも集中できる要素があると言う。田口も「守備でしのぎ切れれば前が点を取ってくれるという信頼関係が生まれている」と攻守の相互関係が作用し、確かな手ごたえとなっている。
琉球の総失点は『3』と、リーグ最少だ。ここ2年は攻撃力の強化を優先してきたが、「結果を残すためには守備の安定が不可欠」と樋口 靖洋監督は話す。今季に入って、盾にも磨きをかけている。無敗を続ける中、尖らせた矛を常に出せる状況を作り出し、より自分たちのスタイルを追求できるかが試される。
対する東京Vは、0-7で大敗した明治安田J2第5節・新潟戦から「うまく切り替えられた」という佐藤 優平の言葉どおり、4月に入り2連勝。加藤 弘堅は「チームのポジションがコンパクトで連動しているときに奪えると、そのままの流れを攻撃にもっていける」と、連動した守備が攻撃にも良い影響をもたらすと実感。さらに、ここ2戦3発と連勝の立役者であるルーキー・佐藤 凌我のハイプレスも効いている。大敗を機に団結心を生み出し、集中力を高める東京Vの壁をこじ開けるのは簡単ではない。琉球の樋口監督も「難しい相手」と選手に伝え、引き締める。
正確なパスを繰り出し、敵陣でのプレーを多くしてアクションを起こしたいという両者の思惑がぶつかり合う展開が予想される中、リアクションに割く時間は減らしたいところだろう。
[ 文:仲本 兼進 ]
