試合後に吉田 謙監督が「すべての局地戦において、五分五分のボールがすべて京都さんのほうに転がった」と振り返ったように、秋田が積み上げてきた球際の競り合いで劣勢に追い込まれた。球際の強度や速度で京都を目指してきただけに、その衝撃は大きかっただろう。
だが裏を返せば、秋田にとって目指すべき新たな基準ができたことを意味する。田中 雄大は「スピード、パワー、テクニックを兼ね備える選手をそろえるチームがJ1に近づく。自分たちをそういうレベルに持っていけば、おのずと上に近づくんだろうなと試合をしていて感じた」と述懐。田中をはじめ一人ひとりが感じたであろう思いを胸に、さらに球際を磨くべく練習に取り組み、京都と同様にJ1昇格をにらむ甲府に全力でぶつかる。
前節、甲府は松本とホームで激闘を展開。終盤の4分間に4点が入る劇的な試合を3-2で制し、昇格争いに踏みとどまった。9月からシャドーの泉澤 仁が負傷で離脱しているが、その穴を若手の宮崎 純真がしっかりカバーするなど、チーム力の高さを見せている。
甲府について田中は「90分を通して良い守備から良い攻撃を徹底し、相手の集中力や体力を削っている」と見る。秋田と甲府の前回対戦も、田中の言葉を裏付けるような内容だった。決定力を欠く秋田に対し、甲府が終了間際のCKから1点をもぎ取って競り勝っている。
甲府はリーグで3番目に失点が少なく、秋田は先制を許すと難しい展開を強いられるだろう。粘り強い守備でできる限り無失点の時間を長くし、セットプレーを含めた少ないチャンスを生かしたい。前線では、岡山や京都など堅守のチームの牙城を崩している武の決定力に期待だ。
残り2試合となったホーム戦。今節からフラッグを振っての応援が可能になる。ソユースタジアムが一体となって、秋田を勝たせる空気を作り出したい。
[ 文:竹内 松裕 ]

