相模原は前節も残留を争うライバル・愛媛と対戦。緊張感のある戦いの中、スコアが初めて動いたのは83分のことだった。愛媛の見事な連係から最後は唐山 翔自にゴールネットを揺らされ、先制されてしまう。残り時間を考えても逆転し、勝利を収めることは難しいと思われた。
しかし──。
89分、梅井 大輝のロングスローがオウンゴールを誘って同点に。これで息を吹き返した相模原はカウンターでゴールに迫り、90+6分に歓喜が訪れる。中山 雄希が成岡 輝瑠のスルーパスを受けると、飛び出してきたGKをかわして無人のゴールへ流し込む。劇的すぎる展開で逆転勝利を飾った。
これでJ3降格圏を脱出した相模原。だが、高木 琢也監督は「『奇跡』とか『運が良かった』とかあると思いますけど、簡単に言えばあそこで自分たちが攻めなければそういうことは起きなかった」と話した。あきらめることなく立ち向かった結果、勝点3を得ることができ、良い形でホームラストゲームを迎える。
一方の松本は前節、山口と対戦した。74分にセルジーニョのゴールで先制したものの、終盤の86分に追いつかれて1-1の引き分け。最下位を抜け出すことができず、引き分け以下で今節を終えると降格が決定する。他会場の結果次第では、勝利しても降格が決まる状況になってしまった。
残り2試合となり、緊張感がより高まる今節のゲーム。そんな中で、楽しみな要素もある。今季途中まで相模原を率いてきた三浦 文丈前監督が、松本のコーチとして相模原ギオンスタジアムに帰ってくる。ただ、「選手としてはどんな試合でも勝ちを目指さなければいけない。そこは勝負なので、勝利を目指していきたい」とキャプテン・鎌田 次郎は気を引き締め、試合が終わるまでは敵だと話す。
昨季、クラブを初のJ2昇格に導いてくれた恩師の前で勝利を収め、残留を大きく手繰り寄せることができるか。さまざまな思いや巡り合わせが交錯するゲームになりそうだ。
[ 文:舞野 隼大 ]
