山形は開幕からの4試合で1勝2分1敗、勝点5で9位。ここまで2失点で複数失点はなし。守備では安定感、粘り強さを見せる一方、ピーター クラモフスキー監督の下で本来見せるべきアタッキングフットボールはまだ影を潜めている。前節・甲府戦もCKから早々に先制したものの、その後は一方的に押し込まれる時間が長く、後半アディショナルタイムに追いつかれて今季2勝目を逃している。つかめそうでつかめない勝利への手がかりを、このビッグマッチで手にできるか。
仙台は2勝2分で勝点8、順位は3位タイ。遠藤 康がアディショナルタイムにゴールを決めて劇的な勝利を収めた第2節・水戸戦を除き、無失点が3試合とこちらも守備の安定感を維持している。攻撃陣では中山 仁斗が前節・岩手戦で2得点を挙げ、早くも今季3得点を記録。新加入の遠藤も攻撃の起点となりながら2得点を挙げている。岩手戦の43分の先制点はその遠藤が中山を使ったワンツーで奪ったもの。バイタルエリアを起点としながら、チームの連動性もかみ合わせが進んでいる。
秋田、岩手の昇格でJ2の東北クラブは4つに増えたが、山形と仙台は長く東北をけん引してきたクラブ。今節はその元祖たるゲームを見せなければならない。ただし、リーグ戦の“みちのくダービー”を実体験している選手は山形の山田 拓巳、仙台の梁 勇基、富田 晋伍、蜂須賀 孝治のみ。両チームのサポーターに体験者はまだ多いが、今回は声を出しての応援がまだ制限される。その中でどのような化学反応が生まれるかも見どころだ。
今月16日深夜には福島県沖を震源とする大きな地震が発生したが、両チーム関係者は全員無事が確認され、今節の試合も行われる運びとなった。どんな困難も乗り越える、それが“みちのくダービー”のメンタリティー。バチバチとした熱戦でダービーの新たなページが加えられる。
[ 文:佐藤 円 ]
