J3発足の2014年から、秋田がJ2に昇格する2020年までの7年間にわたり、何度となく激闘を繰り広げてきた隣県の秋田と岩手。2021年に岩手がJ2昇格を決めたことで、上のステージで2年ぶりにぶつかり合う。「ライバルがあることはありがたい。ダービーとはチームとチームではなくて、街と街、県と県の戦い。県を代表し、熱意を持ってチーム全員で戦いたい」と吉田 謙監督。今季は山形を交えた3つ巴の“奥州合戦”と銘打ち、サッカーで東北全体を盛り上げていく。
秋田は前節、ホームの甲府戦をスコアレスドローで終えた。前半は甲府に押し込まれて防戦を強いられるも、GK新井 栄聡を中心に無失点でしのぐ。すると後半は一転して秋田が攻勢に出る。コンパクトな陣形ごと前に押し上げて、相手のビルドアップにプレッシャーを掛けて流れを変えた。スコアは動かなかったが、失点しなかったこと、自分たちでゲーム中に修正して試合運びを優位に進めたことは収穫だ。稲葉 修土は「勝ちたかったが、負けないことも大事。この勝点1を次につなげたい」と前を向く。
対する岩手は前節、アウェイで岡山と対戦し0-1で競り勝った。15分に中村 太亮の右CKを甲斐 健太郎が押し込んで先制。岡山の反撃を振り切り、無失点で4試合ぶりの勝点3を手にして6位に浮上。セットプレーの質の高さに加え、遠めからでもシュートを打っていく積極性が目を引く。3連戦の最後を勝利で締めくくろうと、勢いを持ってソユースタジアムに乗り込むだろう。
フォーメーションや戦術は違えど、ハードワークをベースとする粘り強さが強みの両チーム。7試合を終えて秋田が4得点6失点で、岩手が5得点6失点。堅守が際立つ一方で得点力に課題がある点が共通している。この数字を見ても、先制点が勝敗を分ける緊迫した試合展開となりそうだ。
[ 文:竹内 松裕 ]

