栃木は前節、ホームで大分と対戦。守備でリズムを作りながら進めたが、57分にFKからスキを突かれて失点。終盤まで攻めながらゴールを奪えずにいたが、敗色濃厚となった後半アディショナルタイムだった。6月15日に湘南から育成型期限付き移籍で加入したばかりの根本 凌が鮮やかなミドル弾を決め切り、ドローに持ち込んだ。
時崎 悠監督は根本のいきなりの活躍ぶりを踏まえて、「根本自身もそうだが、なかなか試合に絡めていない選手たちの刺激になったと思う」と語り、暗に奮起を促していた。
この流れを受けて結果をつかみ取ったのが、22日に実施された天皇杯3回戦・横浜FM戦だった。大分戦からスタメン10人を変更して臨んだ試合は、相手にボールを終始握られる展開となったが、GK藤田 和輝を中心とする堅守でゼロの時間帯を更新し続けると、58分に神戸 康輔、そして後半アディショナルタイムにジュニーニョが追加点を奪って2-0で強豪を撃破。この試合をスタンドから見届けた植田 啓太は「誰もが競争意識というフレーズを意識することになる戦いぶりだったし、今後、チームの雰囲気はさらに良くなっていくと思う」と振り返った。栃木はこの空気感を握り締めながら、今節の岩手との下位直接対決に向かう。
一方、岩手もチーム状態は明らかに上向きだ。前半戦では7連敗を喫するなど苦しい時期もあったが、直近4試合は2勝2分。前節はホームで徳島と対戦すると、手堅い守備をベースにゲームを進め、77分に小松 駿太が決勝ゴールを挙げて勝ち切った。
岩手は後半や終盤にかけた得点が多く、秋田 豊監督も「いまは時間が経つほど自分たちにチャンスが来るというサッカーができている」と手ごたえを口にする。岩手は19位・栃木との勝点差を『1』まで詰めており、今節で勝利を収めれば順位が逆転する。
前回対戦は栃木が先制するも、岩手が終了間際に追いつき、ドロー決着だった。両チームともに終盤までプレー強度が落ちないという特徴があり、終了のホイッスルまで目が離せない展開が予想される。下位直接対決で勝利の凱歌をあげるのはどちらか。
[ 文:鈴木 康浩 ]

