ただ、“超攻撃的エンターテイメントサッカー”を志すチームの成長に比べて、集客数は伸び悩んでいる。今季はスタジアム改修が完了してホームの藤枝総合運動公園サッカー場が1万人規模になったが、目標とする平均5千人以上にはほど遠い状況にある。今季の開幕戦では1万人の集客を目指して積極的なキャンペーンを打ち、7,243人というクラブ史上最多入場者数を記録したが、目標には届かなかった。だからこそ今節は『リベンジ1万人』として、先着1万名に15th記念Tシャツと15th記念ペンライトのプレゼントを用意し、クラブとサポーター、支援者が一丸となって集客に全力を尽くしている。
当然、初めてや久しぶりの来場者も多くなるからこそ、藤枝らしい攻撃的なサッカーで来場者を楽しませつつ、最後は勝利の喜びを届けることが何より大事な試合になる。ここまで8得点のエース・矢村 健も「また来たいと思ってもらえる試合をしたい」と言う。
その意味でも、GKからしっかりとパスをつないでボールを握り、相手を押し込んでいく藤枝らしい戦い方を目指す。だが、愛媛との前回対戦では組み立ての過程でミスが出たところからカウンターを食らって失点を重ね、0-3で敗れた。愛媛は今回も同じパターンを狙って前から激しくプレスを掛けてくるだろうが、藤枝がそのスキを与えずに主導権を握り続けられるかという部分も大きなポイントになるだろう。
一方の愛媛は、明治安田J2第19節・水戸戦から3連勝を収めていたものの、前々節から下位の熊本と群馬にどちらも0-4というショッキングな敗戦を喫した。だが、水曜日の天皇杯3回戦では前節・群馬戦からスタメンを全員入れ替えて臨み、J1の福岡に2-0の快勝。石丸 清隆監督は「気持ちの入ったゲームができて、非常に満足しています」と語った。その好感触やエネルギーを今節につなげられれば、藤枝に強いプレッシャーを掛けて勝機を見いだせるだろう。
藤枝が10位、愛媛が9位で勝点差はわずか『1』。J1昇格プレーオフ進出に向けても落とせない“シックスポイントマッチ”でもある。藤枝が自分たちのサッカーで攻め勝つか、愛媛が標ぼうする“ノンストップ・フットボール”でリーグ戦での連敗を止めるか。
特に藤枝にとっては、歴史の1ページを刻むべき重要な一戦となる。
[ 文:前島 芳雄 ]


