ホームのいわきは2022年のJリーグ入会から、いまだ開幕戦での勝利がない。昨季は開幕から9戦勝ちなしとスタートダッシュに失敗し、苦しい序盤戦を強いられた。ただ、 「昨年は昨年。状況もメンバーも変わっている」と田村 雄三監督は言い切る。主力の移籍により、ゼロベースからの再出発を余儀なくされたが、スタイルは揺るがない。「90分間止まらない、倒れない」体を作るべく、始動日から徹底してフィジカルを強化してきた。
また今オフでは、元日本代表で経験豊富な永木 亮太をはじめとした実力者たちが加入。主軸の柴田 壮介も「技術力の高い選手が多く、攻撃のバリエーションが出せる」と手ごたえを語る。
田村 雄三監督が今季の課題に掲げるのは、ボール奪取後の保持率の向上だ。カウンターだけでない、進化を遂げた“魂の息吹くフットボール”で札幌の組織力を上回れるか。 多くのサポーターが集うであろうハワイアンズスタジアムいわきで悲願の開幕戦初勝利をつかみ取り、新時代への扉を開けたい。
対するアウェイの札幌は、昨季12位に低迷したチームを救うべく、川井 健太監督を招聘した。キーマンの近藤 友喜が横浜FMへ、高嶺 朋樹が名古屋へ移籍したことによって戦力ダウンは否めないものの、福森 晃斗、堀米 悠斗の復帰は大きい。一瞬で局面を打開できる強力なアタッカー陣たちを軸に、その穴を組織力でカバーする構えだ。個々の能力を生かすべく、新指揮官の下でどのような戦術を浸透させていくのかが見どころとなる。
昨季の対戦成績はいわきが1勝1分で勝ち越している。この特別なシーズンの幕開けにどのようなドラマが待っているのか、楽しみだ。
[ 文:近藤 健多朗 ]
