東京五輪イヤーということもあり、変則的にJリーグYBCルヴァンカップがシーズン初戦となるG大阪。パナソニック スタジアム 吹田で迎え撃つのは2年ぶりとなるJ1に臨む柏である。
クラブ史上初めて2年連続で同じスローガン『GAMBAISM』を掲げるG大阪だが、宮本監督は昨季口にしなかったタイトル奪回を今季は明確な目標に掲げている。
二度にわたる沖縄キャンプでは大きなケガ人もなく、比較的順調にチーム作りを進めてきたG大阪だが、チームのベース自体にも大きな変化はない。主力の流出はなく、基本布陣[3-1-4-2]も昨季すでに確立済み。そんなチームに指揮官が新たに求めるエッセンスは、攻撃につなげるためのアグレッシブなプレスである。
「ウチには攻撃が好きな選手がそろっている。それを生かすためにも、より高い位置で奪うようにしたい」(宮本監督)。2020シーズンに目指すチームスタイルの一端が、柏戦でお披露目されることが濃厚だ。
昨年末、横浜FMからのオファーに揺れたものの残留を決断した小野瀬 康介は、本職のウイングバックだけでなく、沖縄キャンプではFWとして宇佐美 貴史と2トップを形成。前線からの守備で一定の機能性を見せていた。
昨季はウイングバックながらJ1で7得点を叩き出している小野瀬にとっても、新たなチャレンジのスタートとなる柏戦。「今までやってきたことを試す上でも柏は良い相手。ウチには良いFWがたくさんいるので、結果を出さないとダメ」と開幕戦でのゴールに意気込んでいる。
昨季のルヴァンカップでは決勝進出を目前にしながら、準決勝で涙を呑んでいるG大阪。柏以外には湘南、大分と同居するDグループを勝ち上がる上で、まずホームで迎える初戦で好発進を切りたいところだ。
攻撃陣の機能性もさることながら、柏戦で問われるのは最終ラインの耐久力である。2月に加入した昌子 源はまだ選手登録されておらず、菅沼 駿哉も負傷の影響で出遅れており、柏戦で最終ラインの一角を担うのは磐田から加入した新里 亮が濃厚。“初物”にめっきり弱いG大阪だけに、柏のオルンガ封じはマストのミッションとなりそうだ。
一方、名将・ネルシーニョ監督とともに1年でJ1に復帰した柏は、9日に行われたちばぎんカップで千葉に2-0で勝ち切っている。G大阪に先立って“昇格即リーグ優勝”という偉業を成し遂げている柏が今季掲げるスローガンは、おなじみの『VITORIA(勝利)』。柏もまた、開幕戦で好スタートを切りたいはずだ。ちばぎんカップではオルンガがゴールを決めているが、今季G大阪から柏へ完全移籍した呉屋 大翔も虎視眈々と“恩返し弾”を狙っているはずだ。
そしてルヴァンカップで用いられるU-21枠で注目のマッチアップとなるのが、福田 湧矢と古賀 太陽。両者のサイドでの攻防は必見だ。
「一番大事なのは勝って自信をつかむこと。その勢いでリーグ戦の開幕戦を迎えたい」という倉田 秋の言葉は両チームの指揮官、選手全員が抱く思いでもある。
[ 文:下薗 昌記 ]
