横浜FMは大会初戦となったJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝で札幌と対戦。後半に先制を許す苦しい展開だったが、途中出場した天野 純の同点ゴールでPK戦に突入。そのPK戦では5人全員が成功させ、辛くも準決勝にコマを進めた。
札幌戦から1カ月余りしか経っていないが、チーム状況は大きく変化している。リーグ戦では3連敗と4連勝があり、基本システムを変更したほか、ケガ人が相次いでいる。[3-4-2-1]で6試合戦ったあと、直近のJ1第20節・神戸戦ではトリプルボランチの中央に据えた扇原 貴宏に高い自由度を与えた[4-3-2-1]を採用。シュート3本で3点を奪われ、2-3で敗れはしたものの、シュート26本、クロス50本以上を計測し、アンジェ ポステコグルー監督が「ひさびさに最高のパフォーマンスを出してくれた」と評価する内容だった。
ただ準決勝は神戸戦から中2日となり、指揮官がどのような戦い方を選択するかは未知数。負荷のかかる両サイドのプレーヤーをローテーションしながら連戦をこなしていたが、1週間前のJ1第25節・鳥栖戦で高野 遼が負傷交代。左SBまたは左ウイングバックの本職は神戸戦にフル出場したティーラトンしかおらず、そのタイ代表を連続出場させるのか、鳥栖戦で高野に代わってピッチに立った大津 祐樹を送り出すのか、それとも新たな選択をするのか。指揮官は難しい決断を迫られている。
対する柏はグループステージを突破して迎えたC大阪との準々決勝で試合巧者ぶりを発揮し、3発快勝を収めた。直近のリーグ戦でも得点ランクを独走するオルンガが2得点をマークするなど3-0で横浜FCに完勝し、横浜FMに逆転負けを喫したイヤなムードをすぐに払しょくした。横浜FC戦では、長期離脱していたクリスティアーノが復帰したのも好材料。終盤に途中出場し、ダメ押しゴールを挙げた大谷 秀和や山下 達也らベテランの主力をベンチスタートで休ませることができたのも大きい。前回の横浜FM戦後に「相手のクオリティーを認めざるを得ない結果」と語ったネルシーニョ監督だが、そのまま手をこまねいているはずはない。立ち位置を変えるのか、選手を替えるのかはフタを開けて見なければ分からないが、なんらかの策を打ってくるだろう。
前回対戦では横浜FMのテンポの速いサッカーに柏がつき合う形で進み、柏が終盤にガス欠に陥り、75分以降、横浜FMに3ゴールが生まれた。柏は同じ轍を踏むことは避けたいだろうし、横浜FMは“高速サッカー”に巻き込みたいはず。展開の“スピード”が勝敗のカギを握りそうだ。
[ 文:大林 洋平 ]
