両チームの状況は対照的だ。まずホームの横浜FCはリーグ戦2分8敗で勝星なし。早川 知伸監督の初陣となったJ1第9節・鳥栖戦は0-3と完敗。そして先週末の同第10節は同じくリーグ戦未勝利と調子の上がらない仙台に対し、2点のリードを奪いながら終盤に2つのCKから追いつかれ、負けに等しい引き分け。監督交代という劇薬を用いながら、トンネルの出口はいまだ見えない。
ただ、リーグ戦での順位は最下位だが、ルヴァンカップでは初戦の柏戦で今季唯一の勝利を収めたため、Cグループの2位タイにつけている。とはいえリーグ戦では早くもJ1残留に危険信号が灯っている状況で、カップ戦のタイトルを狙うのは現実的ではない。もちろん勝つことが最良の薬なのは違いないが、チームの疲弊を最小限に抑えつつ、何か立ち直るきっかけをつかめればという気持ちだろう。出場機会に飢えている選手たちにとってはアピールのチャンスだ。指揮官は選手たちに何より積極的な姿勢を求めているだけに、そのハングリーさをどれだけ表現できるか。それがチームの苦境を救うことになる。
一方の浦和は3月までリーグ戦6試合でわずか1勝と波に乗れていなかったが、4月に入って3連勝。先週末のJ1第10節はC大阪にCKからの一発で敗れたものの、ボール保持率63%と内容では上回っており、今季就任したリカルド ロドリゲス監督の戦術が浸透してきている印象だ。ルヴァンカップでは1分1敗でCグループの最下位に沈んでいるが、獲れるタイトルはすべて獲ることが義務づけられるクラブだけに、この試合に必ず勝って巻き返しを図らなければならない。
この試合を中3日で迎える横浜FCに対し、浦和は中2日という不利はあるものの、ビッグクラブだけにターンオーバーする選手には事欠かない。リーグ戦での3連勝が始まったJ1第7節・鹿島戦以降はシステムやメンバーをほぼ固定して戦っていることから考えれば、控え組が中心となった場合は戦術浸透度が落ちるかもしれないが、もともと個の能力の高い選手たちが序列に割って入ろうとモチベーション高く臨むことでお釣りがくることだろう。ルヴァンカップでは2試合でゴールを守っている年代別代表常連のGK鈴木 彩艶は要注目株だ。
もう1つの見どころは、横浜FCの早川監督にとっては、指揮官として古巣との初対戦になることだ。順天堂大から2000年に浦和でプロ入りし、赤いユニフォームの24番を背負って3年間プレーした。ベンチで隣に陣取る田北 雄気GKコーチとともに、浦和にとっては懐かしい存在だろう。また、昨季まで2年間浦和でプレーした岩武 克弥も出場すれば初の古巣対戦となり、中塩 大貴や松尾 佑介らは浦和のアカデミーで育っている。指揮官をはじめ彼らの古巣戦へかけるモチベーションも、横浜FCとしてはエネルギーにしたいところだ。
[ 文:芥川 和久 ]
