FC東京のホームで行われた前半戦は1-0で勝利。浮嶋 敏監督は「勝てたこと自体は良かったですが、内容的にはどちらが勝ってもおかしくなかった」と振り返る。さらに、先勝していることについても、「2-0で勝っていたらかなりアドバンテージはあるが、正直1-0なのであまりない」と冷静に語った。
FC東京について、指揮官は「カウンターでのピンチがほとんどだと思う」と印象を語り、「この間のゲームで言うと、前半にアダイウトンにペナルティーエリアのところで打たれたのはかなり危ないシーンだった」と警戒する。そして、もう1つ気をつけたいのがセットプレーだ。「カウンターを防ぎ切れずCKに。もしくはディフェンディングサードでのFKの守備は、われわれが失点をしない上ではポイントになる」とパワーのある選手たちを抑えるのは骨の折れる仕事になる。セットプレーを与えないことにも注力したい。
また、前回対戦ではポジティブな収穫もあった。湘南は3日前に明治安田J1第19節を戦って臨んでいたのに対し、FC東京は1週間の間隔が空いた中で戦っていたこと。「動きも良くなかったですし、プレスもほとんどかからず、カウンターもなかなか鋭いものを出せなかった」と浮嶋監督が話したように、第1戦は負けてもおかしくなかった。そんな厳しい条件で勝利できたことは、選手たちに自信を与えているはずだ。湘南もFC東京も水曜日に天皇杯2回戦があり、ともに延長戦を戦っていることを考えると、今度は同じ条件で戦える。
今季は湘南のほうが過密日程を戦い慣れているというアドバンテージがあるとはいえ、相手は前回王者だ。「FC東京さんはこういう土壇場での戦いでは力があると思う。だからこそ、昨季も優勝したと思う」と浮嶋監督はリスペクトした上で、「結果的に引き分けて勝ち上がる可能性はありますけど、あくまでも勝ちにいく気持ちを持ってやらないといけない」と気を引き締める。
一方、FC東京の長谷川 健太監督は第1戦終了後、「残りの90分で逆転して、ベスト8に進出できるように1週間準備していきたい」と話し、虎視眈々と準決勝へ進む準備をしている。9日に行われた順天堂大との天皇杯2回戦は延長戦の末に1-2で敗戦。「やはり、1点ではなかなか勝てない」と、長谷川監督は1点の重みを痛感した。その意味でも、FC東京はより前がかりに第2戦へと臨んでくるだろう。
湘南にとっては「1点リードしているから」と余裕はなく、むしろプレッシャーの掛かる試合になるのではないか。しかし、18歳の田中 聡は「大事な試合ですけど、年間通してたくさんあるうちの1試合だと思ってプレーするつもりです。なので気負わずプレッシャーもないです」と頼もしい言葉でこれを否定した。「楽しんでやろうという思いでプレーすると、自然とパフォーマンスも良くなりますし、チームにも良い影響を与えると思う。そんなに気を張り過ぎずプレーしようと思っています」と田中が言うとおり、この状況を楽しむくらいのつもりで戦えば、結果も伴ってくるに違いない。
[ 文:舞野 隼大 ]
