初戦の明治安田J1第27節では、パナソニック スタジアム 吹田でC大阪が1-0。小菊 昭雄監督の就任初戦を白星で飾った。続くJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝第1戦では、G大阪が初めて乗り込んだヨドコウ桜スタジアムでお返しとばかりに1-0で勝ち切り、「4日前に同じ相手とダービーをホームで戦って、非常に悔しい思いをした」(松波 正信監督)という思いを払しょくした。
ルヴァンカップの試合展開を振り返ると、連戦にもかかわらずG大阪はパトリックや宇佐美 貴史、小野 裕二らベストメンバーに近い顔ぶれを送り出し、アウェイゴールの奪取を狙った。しかし、一部主力を温存したC大阪に劣勢を強いられ、シュート数はわずか2本。過去の“大阪ダービー”で一度もなかったスコアレスドロー決着に向かっているかと思われた一戦だったが、67分に送り出されたJFA・Jリーグ特別指定選手の山見 大登が89分に鮮烈な決勝点をゲット。「アウェイで点を決めて勝つということが大事だったので、それに貢献できて良かった」と笑顔を見せた山見。大学生でありながらG大阪の切り札になりつつある逸材の活躍で、貴重な先手をとった。
大会こそ異なるものの、ここまで1勝1敗。五分の戦績で迎える3連戦目、舞台は再びパナソニック スタジアム 吹田に移る。
準決勝に向けてのチケットは1枚だが、どちらが手にするのかはまだ分からない状況だ。G大阪は引き分けでも勝ち上がりが決まるが、2点以上を許しての敗戦ならば敗退が決定する。
「第2戦に向けてコンディションを整えて臨みたい」と松波監督は話したが、公式戦15連戦の締めくくりでもある大一番に向けて、難しいやり繰りを強いられることになる。キム ヨングォンが韓国代表に招集されて不在の中、昌子 源も第1戦後に日本代表に追加招集された。第2戦では三浦 弦太と菅沼 駿哉をCBに置く4バックで戦うのか、佐藤 瑶大や柳澤 亘を昌子の代役に起用し、3バックを継続するのか――。松波監督が送り出す布陣にも注目だ。
一方、C大阪の立ち位置は明確だ。「この結果を受けて、次はシンプルにアウェイで勝つだけなので、逆にハッキリした」と第1戦後に語ったのは小菊監督。第1戦は後半途中からの出場となった坂元 達裕や加藤 陸次樹らが先発に復帰する可能性は高そうだが、とりわけ注目は8月31日に加入が発表された乾 貴士のメンバー入りの有無だ。第1戦のハーフタイムにサポーターの前でお披露目された乾だが、約10年ぶりのC大阪復帰戦が“大阪ダービー”となれば当然、モチベーションは別物になるだろう。連係面は不透明だが、突出した個を持つだけに、宇佐美も「乾くんが出場してくれば、僕たちにとっては厄介」と警戒感を隠さない。
筋書きのない戦いが“大阪ダービー”。どちらが勝ち名乗りを受けるにせよ、熱戦が繰り広げられることだけは、間違いない。
[ 文:下薗 昌記 ]
