清水はJリーグYBCルヴァンカップBグループの初戦で川崎Fを3-2で下したが、第3節・湘南戦で0-3、続く第4節・川崎F戦で0-6と大敗を喫した。それでも、前節・湘南戦では粘り強い戦いを見せて3-2で勝利。ここまでは2勝1分2敗の勝点7で、浦和と並んで首位に立っている。
今季は明治安田J2と並行する“超過密日程”の中で、ルヴァンカップでは多くの2種登録選手が帯同したり、ベンチ入りメンバーの18人がそろわない試合もあった。ただ、今節は試合前後に1週間の余裕があるため、リーグ戦のメンバーの多くがベンチ入りすることになるだろう。
そして、清水は天皇杯初戦となった2回戦で、J3の岐阜を相手に延長の末に敗れる波乱も経験したため、この試合に懸ける思いはさらに強い。また、今季J2を戦う中で、J1クラブと戦う大事な機会でもある。1年での復帰を掲げるチームにとって、浦和を倒せるチームになっていることが来年以降にもつながるだろう。
2012年にナビスコカップ(現ルヴァンカップ)決勝まで進んで以降、予選リーグやグループステージ敗退が続いていたが、ここで勝てば11年ぶりの突破になる。清水にとって、この試合は長く続いた暗い歴史を変えるための重要な一戦だ。
対する浦和は、ルヴァンカップでは4試合連続ドローというスタートとなったが、初勝利を収めた前節・川崎F戦では今季を象徴するようなゲームを見せた。3分に先制点を許す難しい展開となったものの、51分にはショートカウンターからダヴィド モーベルグのパスを受けたホセ カンテが反転から左足を振り抜き、来日初ゴールを奪う。同点に追いついたあとは両チームともに決定機を作るが、GKのビッグセーブに遭い得点を奪えない。このままドローかと思われた試合は89分、浦和は右サイドに展開すると、途中出場の酒井 宏樹が狙い澄ましたクロスを放り込む。これが川崎Fのジョアン シミッチの足に当たってオウンゴール。土壇場の逆転劇で、浦和は一気にBグループ首位タイに躍り出ることになった。
試合後、マチェイ スコルジャ監督が「本日も最悪のスタートでした。失点からのスタートです。しかし、今季は逆転の経験を積んできました」と話したように、浦和は今季ここまでリーグ戦8勝のうちの半分である4勝が逆転勝利となっている。この勝負強さは、相手にとって脅威になるだろう。
浦和は清水同様、勝てば文句なしのグループステージ突破となるが、清水と違うのはこの試合を引き分けても、湘南対川崎Fや他グループの結果次第で、まだ可能性はあるということだ。しかし、自力でプライムステージ進出を決めるためにも、やはりこの試合で目指すのは勝利のみだろう。
清水と浦和の前回対戦は、浦和駒場スタジアムで行われた第2節。38分に左サイドの荻原 拓也のピンポイントクロスにブライアン リンセンが合わせて浦和が先制するも、71分にカウンターからベンジャミン コロリが左足を豪快に振り抜き、清水が追いついてドロー。この試合で決着をつけることになる。
清水としては準優勝を飾った2012年以来のグループステージ突破、浦和としては3年連続のプライムステージ出場を目指す。
[ 文:田中 芳樹 ]